目次骨格系関節系筋肉系消化器系呼吸器系胸郭泌尿器系生殖器系腹腔と骨盤腔内分泌腺心脈管系リンパ系神経系感覚器外皮

Oesophagus; Esophagus(食道)Oesophagus; Esophagus しょくどう Feneis: 146_01

[A05_4_01_001] →(食道は咽頭につづき、下方は胃に流入する長い管で、狭義の消化管の最初の部分である。輪状軟骨下縁(上食道狭窄)にはじまり、脊柱の前を下って胃の噴門部に接合するまで、全長23~26cm。内腔は適宜拡がり、義歯を飲み込んだ例もある。内腔の狭い部分は上端(上食道狭窄)、大動脈弓・気管支と交叉する部分(中食道狭窄)、下端(下食道狭窄)の3カ所で、上下端では内腔が普通は閉じ、括約筋の存在が想定されている。食道を上から頚部・胸部・腹部に分ける。頚部は脊椎の前にある部分、胸部は以下横隔膜で、腹部は横隔膜の食道裂孔を抜けて腹腔内に入り、噴門部に流入する短い部分である。食道の壁の粘膜は重層扁平上皮におおわれ、粘膜筋板を有し、食道腺が散在する。上部または下端に食道噴門腺をみる。筋層は上部で横紋筋、下部で平滑筋で、平滑筋束の一部は気管支食道筋、胸膜食道筋として、周囲の器官に連続する。筋層の外側は疎性結合組織性の外膜におおわれる。)

Cervical part of oesophagus; Cervical part of esophagus; Cervical esophagus(頚部(食道の))Pars cervicalis oesophageae; Pars colli oesophageae けいぶ(しょくどうの) Feneis: 146_02

[A05_4_01_002] →(食道の頚部は頚椎の前にある短い食道部分(第六頚椎-第一胸椎)で長さ5~6cm(全長の約1/5)で、輪状軟骨下縁から腕骨上縁までの高さで、椎骨の前にある。気管のすぐ後ろを下行する。食道と気管との間には反回神経が走り、食道の両側には総頚動脈・内頚動脈・迷走神経が走る。)

Thoracic part of oesophagus; Thoracic part of esophagus; Thoracic esophagus(胸部(食道の))Pars thoracica (Oesophagus) きょうぶ(しょくどうの) Feneis: 146_03

[A05_4_01_003] →(食道の胸部は第一胸椎から横隔膜を貫くところ(ほぼ第十一胸椎)までで長さ15~18cm、気管の後ろをやや左側に偏して、下行する。気管分岐部の下方では右肺動脈・左心房をおおう心膜の後方を下行する。食道鏡部は第5~7胸椎の高さでは下行大動脈の右側にあるが、下行するとともに次第に大動脈の前方に移り、大動脈の左前方で横隔膜の食道裂孔を通って腹腔にはいる。)

Thoracic constriction of oesophagus; Broncho-aortic constriction of oesophagus(胸部狭窄;気管支大動脈狭窄;中食道狭窄(食道の))Constrictio partis thoracicae oesophageae; Constrictio bronchoaortica oesophageae きょうぶきょうさく;きかんしだいどうみゃくきょうさく;ちゅうしょくどうきょうさく(しょくどうの) Feneis: 146_04

[A05_4_01_004] →(第2狭窄部:食道の中部で、大動脈弓と左気管支が交叉し、これによって圧される部(大動脈狭窄)。胸狭窄は大動脈弓との交叉により生じる。食道は気管分岐部の後ろを下行している。肺門のリンパ節の炎症の結果できた瘢痕により食道壁が肺門の方へ引っ張られて、牽引性憩室をつくることがある。)

Diaphragmatic constriction of oesophagus; Diaphragmatic constriction of esophagus(横隔膜狭窄;下食道狭窄(食道の))Constrictio phrenica oesophageae; Constrictio diaphragmatica oesophageae おうかくまくきょうさく;かしょくどうきょうさく(しょくどうの) Feneis: 146_05

[A05_4_01_005] →(第3狭窄部:下部で横隔膜を貫く部(横隔膜狭窄部)。)

Abdominal part of oesophagus; Abdominal part of esophagus; Abdominal esophagus(腹部(食道の))Pars abdominalis (Oesophagus) ふくぶ(しょくどうの) Feneis: 146_06

[A05_4_01_006] →(食道の腹部は横隔膜と胃の間の短かく2~3cmである。腹部は第10胸椎の高さで横隔膜の食道裂孔を通ると、やや左方にまがり、第11胸椎の前左方で胃の噴門に連なる。胃体で胃が充満すると、腹部はやや長くなる。)

Oesophageal mucosa; Esophageal Mucous membrane of oesophagus; Mucous membrane of esophagus(粘膜(食道の);食道粘膜)Tunica mucosa oesophageae ねんまく(しょくどうの);しょくどうねんまく Feneis: 146_15

[A05_4_01_015] →(粘膜 食道粘膜は重層扁平上皮、疎性結合組織からなる粘膜固有層、および縦走する平滑筋からなる粘膜筋板で構成されている。  食道の粘膜は、上皮、粘膜固有層、および粘膜固有層からなる(図17-2)。食道の内腔は普段は圧平されていて狭いが、食道の嚥下時には内腔がひろがる。食道の内壁は厚さ約0.5mmの非角化重層扁平上皮で被われている。この上皮にはランゲルハンス細胞と呼ばれる抗原提示細胞が散在している。この細胞は抗原を貪食し、エポトープという小さなポリペプチドに分解する。また、主要組織適合性抗原(MHC)Ⅱ型分子を産生してエピトープを結合させ、このMHCⅡ-エピト-プ複合体を細胞膜の外表面に出す。その後、ランゲルハンス細胞はリンパ節まで遊走して、そこでリンパ球にMHCⅡ-エピト-プ複合体を提示する。(最新カラー組織学))

Lamina propria mucosae of oesophagus(粘膜固有層(食道の)Lamina propria mucosae ねんまくこゆうそう(しょくどうの)

[A05_4_01_015_1]

Muscularis mucosae of oesophagus(粘膜筋板(食道の))Lamina muscularis mucosae oesophageae ねんまくきんばん(しょくどうの)Gerlach's tonsil Feneis: 146_16

[A05_4_01_016] →(食道の粘膜筋板は粘膜下組織と粘膜膜固有層の間にあり、明瞭な1層をなす平滑筋。他の消化器官各部に比べて、かなり厚く(200~400μm)、主として縦走する平滑筋線維束からなる。食道の粘膜筋板は、上部では咽頭の密な弾性線維層に、下部では胃の粘膜筋板に連続している。)

Submucosa of oesophagus; Submucosa of esophagus(粘膜下組織(食道の))Tela submucosa oesophageae ねんまくかそしき(しょくどうの) Feneis: 146_14

[A05_4_01_014] →(食道の粘膜下組織は食物の通過による食道の拡張に対応できるように、粘膜下組織は多量の弾性線維による著しく粗な線維構築を示し、可動性に富む構造となっている。粘膜下組織の表層に近い部分には、食道腺(粘液腺)が散在している。腺終末に近い導管は、管腔が狭く、単層円柱上皮であるが、粘膜筋板、粘膜固有層を貫通し、粘膜上皮に開口するに従って、管腔は広くなり、しばしば嚢胞状の拡張を呈するようになり、導管の上皮は重層扁平上皮となる。食道には食道腺以外に、食道上端(輪状軟骨の高さ)と下端(噴門近く)には、胃の噴出腺と同様の分岐管状粘液腺の形態を示す食道噴門腺が粘膜固有層に限局して存在する。しかし、食道噴門腺の多少には個人差があり、しばしば腺を欠く。また、粘膜下組織には、太い血管、リンパ管、マイスナー神経叢が存在する。食道のマイスナー神経叢の発達は、他の消化器官各部に比べて乏しい。)

Oesophageal glands; Esophageal glands(食道腺)Glandulae oesophageae しょくどうせん Feneis: 146_17

[A05_4_01_017] →(食道腺は粘膜下組織内に散在する混合腺。)

Muscular layer of oesophagus(筋層(食道の);食道筋)Tunica muscularis oesophageae きんそう(しょくどうの);しょくどうきん Feneis: 146_10

[A05_4_01_010] →(食道の筋層は食道壁にある2層の筋層。上食道の上1/3の部分はほとんど骨格筋空なり、中間の1/3は骨格筋と平滑筋の両方、また下1/3は平滑筋線維のみからなる。内層は輪走(内輪筋層)、外層は縦走(外縦筋層)。食道の輪筋層は食道下端で特に発達しており、下部)

Broncho-oesophageus; Broncho-oesophageus muscle(気管食道筋)Musculus bronchooesophageus きかんしょくどうきん Feneis: 146_12

[A05_4_01_012] →(気管支食道筋は左気管支から食道へ張る平滑筋線維。)

Pleuro-oesophageus; Pleuro-oesophageus muscle(胸膜食道筋)Musculus pleurooesophageus きょうまくそくどうきん Feneis: 146_13

[A05_4_01_013] →(胸膜食道筋は食道と左縦隔胸膜の間の平滑筋束。)

Crico-oesophageal tendon; Crico-esophageal tendon(輪状食道腱束)Tendo cricooesophageus りんじょうしょくどうけんそく Feneis: 146_11

[A05_4_01_011] →(輪状食道腱束は輪状軟骨後壁へつく食道縦走筋の腱束。)

Serosa of esophagus(漿膜(食道の))Tunica serosa oesophageae しょうまく(しょくどうの) Feneis: 146_07

[A05_4_01_007] →(漿膜は体幹における体腔、および体腔内で動く臓器の表面を被うものである。漿膜の基本的構成要素は、平滑な中皮mesotheliumとこれを直下で支える薄い結合組織層との2つである。漿膜のうちで体腔壁表面を被う部分を壁側葉、体腔内での臓器表面を覆う部分を臓側葉とよぶ。これらの2葉間の隙間が胸膜腔、心膜腔、あるいは腹膜腔にほかならない。この隙間部分は少量の漿液性滲出液を含んでいるが、この液が漿膜表面をも被う結果、上記の2葉がたがいに滑り合えるようになっている。)

Subserosa of oesophagus; Subserous layer of oesophagus(漿膜下組織(食道の))Tela subserosa oesophageae しょうまくかそしき(しょくどうの) Feneis: 146_08

[A05_4_01_008]

Adventitia of oesophagus(外膜(食道の))Tunica adventitia oesophageae がいまく(しょくどうの) Feneis: 146_09

[A05_4_01_009] →(食道の外膜は多量の弾性線維を混えた疎性結合組織から構成され、食道を後胸壁ないし隣接器官に接合している。迷走神経本幹等の神経や血管が存在する。)

最終更新日: 19/10/13

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