目次骨格系関節系筋肉系消化器系呼吸器系胸郭泌尿器系生殖器系腹腔と骨盤腔内分泌腺心脈管系リンパ系神経系感覚器外皮

Male internal genitalia(男性の内生殖器;内部生殖器)Organa genitalia masculina interna だんせいのないせいしょくき;ないぶせいしょくき Feneis: 190_04

[A09_3_00_001] →(男の内生殖器には精巣、精巣上体(副睾丸)、精管、精嚢、前立腺、球尿道腺などがある。)

Testis; Testicle(精巣;睾丸)Testis; Orchis せいそう;こうがん Feneis: 190_05

[A09_3_01_001] →(精巣は睾丸ともいい、男性の性腺。精巣上体とともに陰嚢中にある。重量約8.4g。左の精巣は、通常は右の精巣よりやや大きい。上端、下端、外側面、内側面、前縁、後縁を区別する。表面は結合組織性の白膜におおわれ、白膜は実質内にやや膨隆して精巣縦隔をつくり、そこからさらに精巣中隔が伸び出して、精巣実質を約300の精巣小葉に分ける。小葉は迂曲する精細管(曲精細管)で占められる。精細管は精子を形成する部分で、精巣縦隔に近い部分では直精細管となり、これは縦隔内の網状の精巣網に合流、精巣網はさらに10~20本の精巣輸出管につながる。精巣付近には発生時の構造の遺残がいくつかみられる。精巣垂はミューラー管Muellerian ductの上端部の遺残である。また、精巣上体の頭部に同様の小体がある。これは精巣上体垂でウォルフ管Wolffian duct上端の中腎細管の遺残である。)

Upper pole of testis; Superior pole of testis(上端;上極(精巣の))Extremitas superior testis; Polus superior testis じょうたん;じょうきょく(せいそうの) Feneis: 190_06

[A09_3_01_002]

Lower pole of testis; Inferior pole of testis; Testicular serosa(下端;下極(精巣の))Extremitas inferior testis; Polus inferior testis かたん;かきょく(せいそうの) Feneis: 190_07

[A09_3_01_003]

Lateral surface of testis(外側面(精巣の))Facies lateralis testis がいそくめん(せいそうの) Feneis: 190_08

[A09_3_01_004]

Medial surface of testis(内側面(精巣の))Facies medialis testis ないそくめん(せいそうの) Feneis: 190_09

[A09_3_01_005]

Anterior border of testis(前縁;自由縁(精巣の))Margo anterior (Testis) ぜんえん(せいそうの) Feneis: 190_10

[A09_3_01_006] →(前方の自由縁。 (Feneis))

Posterior border of testis(後縁;間膜縁(精巣の))Margo posterior testis こうえん;かんまくえん(せいそうの) Feneis: 190_11

[A09_3_01_007] →(漿膜の折り返しヒダが付着している。 (FeneisD))

Tunica vaginalis testis; Tunica vaginalis of testis(精巣鞘膜)Tunica vaginalis testis; Tunica vaginalis propria testis せいそうしょうまく Feneis: 190_13

[A09_3_01_008] →(陰嚢では内精筋膜の下層に白くて固い膜がある。これが精巣と精巣上体を包む精巣鞘膜の、壁側板である。この膜を縦に切開すると、精巣鞘膜の臓側板に被われた精巣精巣上体が現れる。)

Parietal layer of tunica vaginalis testis(壁側板;睾丸膜;精巣周膜(精巣鞘膜の))Lamina parietalis (Tunicae vaginalis testis); Periorchium へきそくばん;こうがんまく;せいそうしゅうまく(せいそうしょうまくの) Feneis: 190_14

[A09_3_01_009] →(精巣鞘膜の外側葉。 (Feneis))

Visceral layer of tunica vaginalis testis(臓側板(精巣鞘膜の);睾丸外膜)Lamina visceralis (Tunicae vaginalis testis); Epiorchium ぞうそくばん(せいそうしょうまくの) Feneis: 190_15

[A09_3_01_010] →(漿膜性被膜が精巣を被う部分。 (Feneis))

Superior ligament of epididymis(上精巣上体間膜)Ligamentum epididymidis superius じょうせいそうじょうたいかんまく Feneis: 190_16

[A09_3_01_011] →(精巣鞘膜の精巣上体頭上部での繰り返しヒダの部分。 (Feneis))

Inferior ligament of epididymis(下精巣上体間膜)Ligamentum epididymidis inferius かせいそうじょうたいかんまく Feneis: 190_17

[A09_3_01_012] →(精巣上体尾の下方にある精巣鞘膜の折り返しヒダの部分。 (Feneis))

Sinus of epididymis(精巣上体洞)Sinus epididymidis せいそうじょうたいどう Feneis: 190_18

[A09_3_01_013] →(精巣と精巣上体の間にあり、外側から通じている漿膜性間隙で、上下は上下の精巣上体間膜で境される。 (Feneis))

Serosa of testis; Serous coat of testis(漿膜(精巣の))Tunica serosa testis しょうまく(せいそうの) Feneis: 190_19

[A09_3_01_014] →(漿膜は体幹における体腔、および体腔内で動く臓器の表面を被うものである。漿膜の基本的構成要素は、平滑な中皮mesotheliumとこれを直下で支える薄い結合組織層との2つである。漿膜のうちで体腔壁表面を被う部分を壁側葉、体腔内での臓器表面を覆う部分を臓側葉とよぶ。これらの2葉間の隙間が胸膜腔、心膜腔、あるいは腹膜腔にほかならない。この隙間部分は少量の漿液性滲出液を含んでいるが、この液が漿膜表面をも被う結果、上記の2葉がたがいに滑り合えるようになっている。)

Subserosa of testis; Subserous layer of testis; Testicular subserosa(漿膜下層;漿膜下組織(精巣の))Tela subserosa testis しょうまくかそう;しょうまくかそしき(せいそうの) Feneis: 190_20

[A09_3_01_015]

Mesorchium(精巣間膜)Mesorchium せいそうかんまく

[A09_3_01_015_1] →(尿生殖提の内側部において発育する精巣原基は次第に高度に腹腔に突隆し、その尿生殖提外側部(中腎ヒダ)への付着部は、次第に狭い間膜となる。これを精巣間膜という。男では精巣の輸出管として利用されるようになった一部の中腎傍管(Mueller管)が退化消失する。こうなると精巣間膜はほとんど直接腹腔後壁に付着するようになる。)

Tunica albuginea of testis(白膜(精巣の))Tunica albuginea testis はくまく(せいそうの) Feneis: 190_21

[A09_3_01_016] →(精巣の強靱な結合組織被覆。 (Feneis))

Vascular layer of testis(血管膜;脈管膜(精巣の))Tunica vasculosa testis けっかんまく;みゃくかんまく(せいそうの) Feneis: 190_22

[A09_3_01_017]

Mediastinum of testis(精巣縦隔)Mediastinum testis せいそうじゅうかくHighmore, Body of Feneis: 190_23

[A09_3_01_018] →(白膜の後縁部から精巣内部へ隆起した結合組織。 (Feneis))

Septa testis(精巣中隔;精巣小中隔)Septula testis せいそうちゅうかく;せいそうしょうちゅうかく Feneis: 190_24

[A09_3_01_019]

Lobules of testis(精巣小葉)Lobuli testis せいそうしょうよう Feneis: 190_25

[A09_3_01_020] →(精巣中隔によって分画された精巣の小葉。 (Feneis))

Parenchyma of testis(精巣実質)Parenchyma testis せいそうじっしつ Feneis: 190_26

[A09_3_01_021] →(精細管から構成されている特有な精巣の組織。 (Feneis))

Seminiferous tubules; Convoluted seminiferous tubules(曲精細管)Tubuli seminiferi contorti きょくせいさいかん Feneis: 190_27

[A09_3_01_022] →(曲精細管は精巣小葉をつくる非常に曲がりくねっている精細管で、ごく短い直線上の直精細管を経て精巣縦隔にある網目状の管である精巣網に続く。ここで精子が形成されている。小葉内で精細管の間を占める結合組織を間質組織という。ここには間質細胞、またはライディッヒ細胞が集落状に見られる。この細胞は男性ホルモンを分泌する。)

Straight tubules; Straight seminiferous tubules(直精細管)Tubuli seminiferi recti; Tubuli recti ちょくせいさいかん Feneis: 190_28

[A09_3_01_023] →(曲精細管の精巣網への短い移行部。 (Feneis))

Rete testis(精巣網)Rete testis せいそうもうHaller's rete Feneis: 190_29

[A09_3_01_024] →(精巣網は弱拡大で見ると、精巣縦隔中にあって、直走する精巣輸出小管の先端に見られる管網で、立体的に網をなすのでこの名がある。内面は丈の低い立方上皮で被われている。)

Efferent ductules(精巣輸出管;輸出小管)Ductuli efferentes testis せいそうゆにゅうかん Feneis: 190_30

[A09_3_01_025] →(精巣網と精巣上体管の間にある12~14本の小管。(Feneis))

Epididymis(精巣上体;副睾丸)Epididymis せいそうじょうた;ふくこうがん Feneis: 190_31

[A09_3_02_001] →(精巣上体は副睾丸ともいい、精子を精巣から精管へ送る通路である。精巣の上端から後縁にかけてこれに接し、共通の皮膜に囲まれる。重量的2g。精巣上端に近い方から、精巣上体頭、体、尾の3部を分け、精巣上体尾は精管に移行する。頭は迂曲する精巣輸出管を含み、各輸出管は結合組織で仕切られて、精巣上体小葉をつくる。最上位の精巣輸出管に他の管が合流し、1本になったものが精巣上体間で、これが頭からはじまってきわめて迂曲し、体尾を構成する。これがそのまま精管に移行する。)

Head of epididymis(精巣上体頭)Caput epididymidis せいそうじょうたいとう Feneis: 190_32

[A09_3_02_002] →(主に精巣輸出管よりなる。 (Feneis))

Body of epididymis(精巣上体体)Corpus epididymidis せいそうじょうたいたい Feneis: 190_34

[A09_3_02_004] →(精巣上体管の弯曲からなる精巣上体の中部。 (Feneis))

Tail of epididymis(精巣上体尾)Cauda epididymidis せいそうじょうたいび Feneis: 190_35

[A09_3_02_005] →(精巣上体管の弯曲からなる精巣上体の下部。 (Feneis))

Lobules of epididymis; Conical lobules of epidiymis(精巣上体小葉;精巣上体円錐)Lobuli epididymidis; Coni epididymidis せいそうじょうたいしょうよう;せいそうじょうたいえんすい Feneis: 190_33

[A09_3_02_003] →(結合組織で境された円錐状小葉で、それぞれ1~2本の精巣輸出管よりなる。精巣上体頭にある。 (Feneis))

Duct of epididymis(精巣上体管)Ductus epididymidis せいそうじょうたいかん Feneis: 190_36

[A09_3_02_006] →(曲がりくねり、のばすと5~6mある小管で、精巣上体頭で始まり、そこで精巣輸出管を受け入れ、精巣上体尾の末端まで達して精管につづく。 (Feneis))

Aberrant ductules of epididymis(迷管;迷小管(精巣上体の))Ductuli aberrantes (Epididymi) めいかん;めいしょうかん(せいそうじょうたいの) Feneis: 190_37

[A09_3_02_007] →(精巣輸出管および精巣上体管からでる盲管。中腎細管の下部の遺残部。(Feneis))

Superior aberrant ductule of epididymis(上迷細管;上迷小菅;上迷管(精巣上体の))Ductulus aberrans superior epididymi じょうめいさいかん;じょうめいかん(せいそうじょうたいの) Feneis: 190_38

[A09_3_02_008] →(精巣上体頭にある迷管。(Feneis))

Inferior aberrant ductule of epididymis(下迷細管;下迷小菅;下迷管(精巣上体の))Ductulus aberrans inferior epididymi かめいさいかん;かめいかん(せいそうじょうたいの)Haller's ductulus aberrans Feneis: 190_39

[A09_3_02_009] →(精巣上体尾にある迷管。 (Feneis))

Appendix of testis(精巣垂)Appendix testis せいそうすいMorgagni, Hydatid of Feneis: 190_40

[A09_3_02_010] →(男性における中腎傍管の遺残物  中腎傍管の頭方端が、精巣の上端に付着する精巣垂として存続することがある(図13-32A)。尿道前立腺部に開口する小さな嚢胞上の構造物である前立腺小室prostatic utricleは、腟と相同である。前立腺の小室の上皮は、尿生殖洞の上皮から発生する。この上皮内には、ニューロン特異性エノラーゼおよびセロトニンを含む内分泌細胞が見つかっている(Wernert, 1990)。尿道前立腺部の後壁にある小さな隆起である精丘seminal colliculusは、成人における洞結節の派生物であり(Moore, 1992),女性の処女膜と相同物である(表13-1)。 女性における中腎傍管の遺残物  卵管の卵管采の形成に関与しない中腎傍管の頭方端部は、モルがニー嚢胞hydatid of Morganiとよばれる胞状構造物として存続することがある(図13-32C) (ムーア人体発生学))

Appendix of epididymidis(精巣上体垂)Appendix epididymidis せいそうじょうたいすい Feneis: 190_41

[A09_3_02_011] →(男性における中腎管の遺残物  中腎管の頭方端が精巣上体垂として存続することがあり、通常精巣上体の頭部に付着している(図13-32A)。精巣輸出管の尾方で、若干の中腎管が、中腎傍体paradidymisとよばれる小体として存続することがある。(ムーア人体発生学))

Paradidymis(精巣傍体;ジラルデ器官)Paradidymis せいそうぼうたいGiraldes, Organ of; Waldeyer's organ Feneis: 190_42

[A09_3_03_001] →(精巣傍体は精巣の下端近くに中腎管の遺残物。精巣上体の頭部の上の、精索下部の前部に付着していることもある小体。両側とも盲端に終わる小管。中腎管の遺残物。)

Ductus deferens; Deferent duct(精管)Ductus deferens; Vas deferens せいかん Feneis: 192_07

[A09_3_05_001] →(精巣上体からはじまる精巣の分泌管で、精巣上体尾につづく精子を送る通路。精索中にある。全長約30cm(延ばせばその2倍)、膀胱底で紡錘状に膨れ、精管膨大部といい、内部に膨大部憩室を含む。膨大部の下端で、精嚢が精嚢排出管を経て合流し、これより遠位では精管は射精管と呼ばれ、尿道前立腺部後壁にある精丘の上で、尿道に開く。)

Scrotal part of ductus deferens(陰嚢部(精管の))Pars scrotalis ductus deferentis いんのうぶ(せいかんの) Feneis: 192_08

[A09_3_05_002]

Funicular part of ductus deferens(精索部(精管の))Pars funicularis ductus deferentis せいさくぶ(せいかんの) Feneis: 192_09

[A09_3_05_003]

Inguinal part of ductus deferens(鼡径部(精管の))Pars inguinalis ductus deferentis そけいぶ(せいかんの) Feneis: 192_10

[A09_3_05_004]

Pelvic part of ductus deferens(骨盤部(精管の))Pars pelvica ductus deferentis こつばんぶ(せいかんの) Feneis: 192_11

[A09_3_05_005]

Ampulla of ductus deferens(精管膨大部)Ampulla ductus deferentis せいかんぼうだいぶ Feneis: 192_12

[A09_3_05_006] →(膀胱の後側で、精管は紡錘状に膨らみ、精管膨大部といわれる。)

Diverticula of ampulla of ductus deferens(膨大部憩室(精管の))Diverticula ampullae ductus deferentis ぼうだいぶけいしつ(せいかんの) Feneis: 192_13

[A09_3_05_007] →(精管の膨大部憩室は射精管への精管の末端近くの膨大部にできた不規則な憩室)

Adventitia of ductus deferens; Adventitia of ductus deferens(外膜(精管の))Tunica adventitia ductus deferentis がいまく(せいかんの) Feneis: 192_14

[A09_3_05_008] →(精管周囲の結合組織。 (Feneis))

Muscular layer of ductus deferens(筋層(精管の))Tunica muscularis ductus deferentis きんそう(せいかんの) Feneis: 192_15

[A09_3_05_009] →(比較的にきわめて強く発達。 (Feneis))

Mucous membrane of ductus deferens(粘膜(精管の))Tunica mucosa ductus deferentis ねんまく(せいかんの) Feneis: 192_16

[A09_3_05_010] →(粘膜とは、体内の器官を被う面のうちで、体の外表につながるような面に対して与えられる名称である。そのような粘膜は、上皮epitheliumとこれを直下で支える結合組織(固有層と称する)との2つの基本要素からなる。固有層を作る結合組織の中には、ときに平滑筋層が存在するが、そのさいにはこの平滑筋層のことを粘膜筋板とよぶ。粘膜が表面に粘液を分泌する場合としない場合とがある。)

Ejaculatory duct(射精管)Ductus ejaculatorius しゃせいかん Feneis: 192_24

[A09_3_07_001] →(射精管は前立腺内にある、狭いノズル様精管最終部。射精は性行為時などにおける性的興奮が増すにしたがい陰茎亀頭の外尿道口の部分がぬれてくるが、これは尿道球腺の分泌活動が高まったことによる。さらに陰茎亀頭への摩擦刺激、あるいはその他の性的刺激が加重されると今度は交感神経系の活動が起こり、両側の精巣上体管、精管、精嚢、さらには前立腺における交感神経支配下の滑液筋線維群の収縮をまねいて精巣が精嚢および前立腺分泌物とともに尿道前前立腺部へと排出される。次に球海綿体筋のリズミックな収縮が起き、このため尿道は狭められ排出液が球尿道腺やや海綿体部尿道腺からの分泌物と混ざった上体で外尿道口より射出される。そのとき膀胱括約筋は収縮し、精子が膀胱内に流れ込むのを防ぐ。体外に射出された、精子と性器付属腺分泌物との混合液を精液semenと称する。射精は中枢神経内での大きな神経活動を伴う。脊髄まで下行した深頚興奮は胸腰髄節(T1~L2)の交感神経節前ニューロンを刺激する。性器へと向かう交感神経節後ニューロンの軸索突起の多くは第1~2腰部交感神経節内の細胞体より発するものであるが、これよりも下位の交感神経節より発するものもある。これら軸索突起は下下腹神経叢を経由して精管、精嚢、前立腺などへ向かうのである。)

Seminal gland; Seminal vesicle(精嚢;精嚢腺)Glandula vesiculosa; Glandula seminalis; Vesicula seminalis せいのう;せいのうせん Feneis: 192_19

[A09_3_06_001] →(精嚢は、精管膨大部のすぐ下方で、精管から外上方に膨出する嚢状性器官である。精嚢は膀胱底の後壁と直腸との間で、精管膨大部の外側にあり、長さ約3cm・重さ約2g、小指頭大である。精嚢の発達は男性ホルモン依存性で、思春期においてホルモン活性が高くなるとともに発達する。長い間精子を貯蔵すると考えられてきたが、正常には精子を貯えていない。老齢でホルモン産生が減退すると、精嚢は萎縮する。精嚢は腺で、導管は前立腺のすぐ上方で精管に合流する。)

Adventitia of seminal gland; Adventitia of seminal vesicle(外膜(精嚢腺の))Tunica adventitia glandulae vesiculosae がいまく(せいのうせんの) Feneis: 192_20

[A09_3_06_002]

Muscular layer of seminal gland(筋層(精嚢腺の))Tunica muscularis glandulae vesiculosae きんそう(せいのうせんの) Feneis: 192_21

[A09_3_06_003]

Mucous membrane of seminal gland(粘膜(精嚢腺の))Tunica mucosa glandulae vesiculosae ねんまく(せいのうせんの) Feneis: 192_22

[A09_3_06_004] →(粘膜とは、体内の器官を被う面のうちで、体の外表につながるような面に対して与えられる名称である。そのような粘膜は、上皮epitheliumとこれを直下で支える結合組織(固有層と称する)との2つの基本要素からなる。固有層を作る結合組織の中には、ときに平滑筋層が存在するが、そのさいにはこの平滑筋層のことを粘膜筋板とよぶ。粘膜が表面に粘液を分泌する場合としない場合とがある。)

Excretory duct of seminal gland(排出管(精嚢腺の))Ductus excretorius (Glandula vesiculosae) はいしゅつかん(せいのうせんの) Feneis: 192_23

[A09_3_06_005]

Spermatic cord(精索)Funiculus spermaticus せいさく Feneis: 192_01

[A09_3_04_001] →(精索は精管が血管、神経とともに皮膜に包まれ、精巣上体から深鼡径輪に達するまでの約11.5cm長の紐状の構造。蔓状静脈叢、精巣動脈、脂肪、平滑筋などを含む。精索と子宮円索とは共に鼡径管を通っているが、その由来は同じではない。精索(精管)に相当するものは女性ではほとんど退化して、わずかに卵巣状態(の縦管)として残り、子宮円索は男性の精巣導帯gubernaculum testis(精巣の下端と陰嚢の皮膚をつなぐ結合組織で、ハンター導帯Hunter's gubernaculumとも呼ぶ)に相当する。このように由来の異なるものが男女で同じ場所を通っている原因は、女性では卵巣下降descent of ovariesが子宮の高さで止まり、卵巣が腹腔外に出てこないからである。)

External spermatic fascia; Tunic of testis(外精筋膜)Fascia spermatica externa がいせいきんまく Feneis: 192_02

[A09_3_04_002] →(精索を包む外腹斜筋腱膜の延長。また精索とその被膜をともに包む。(Feneis))

Cremaster; Cremaster muscle(精巣挙筋;挙睾筋)Musculus cremaster せいそうきょきん;きょこうきんRiolan, Muscle of Feneis: 192_03

[A09_3_04_003] →(清祥挙筋は内腹斜筋の最下部筋束から分かれ、鼡径管を通り、精索と精巣(女では子宮円索)を包む。なお、腹横筋最下部筋束も精巣挙筋となりうる。第2腰神経由来の陰部大腿神経から支配を受け、精巣を引き上げる働きがある。)

Cremasteric fascia(精巣挙筋膜;挙睾筋膜)Fascia cremasterica せいそうきょきんまく;きょこうきんまくCooper's fascia Feneis: 192_04

[A09_3_04_004] →(精巣挙筋膜は精巣挙筋の周囲および間にある結合組織である。(Feneis))

Internal spermatic fascia(内精筋膜;精巣および精索鞘膜;総鞘膜)Fascia spermatica interna; Tunica vaginalis communis testis et funiculi spermatici ないせいきんまく Feneis: 192_05

[A09_3_04_005] →(腹横筋膜が手袋の指のようにのび、精巣拳筋の下で精巣、精巣上体、精管と脈管、神経をともに包んでいる。 (Feneis))

Vestige of processus vaginalis(鞘状突起痕跡;鞘状突起遺残)Vestigium processus vaginalis しょうじょうとっきこんせき Feneis: 192_06

[A09_3_04_006] →(発生学的な腹膜鞘状突起が部分的に閉鎖して残ったもの。 (Feneis))

Prostate; Prostate gland; Prostatic glands(前立腺)Prostata ぜんりつせん Feneis: 194_01

[A09_3_08_001] →(前立腺は膀胱底の下に密接し、骨盤底の上にのる30~50個の胞状管状腺である。男性の尿道起始部を取り囲んで栗の実に似た形をしている。強靱な結合組織の被膜に被われる。外周に近い部部分は色がやや暗く見え(いわゆる外腺exogland)、中心部は白っぽい(いわゆる内腺endogland)。Prostataはpro(前に)stata(立つもの)という意味である。古代ギリシャでは永来ヒトの前に立って護衛する人をprostatesといったそうである。前立腺を初めて記載し、prostatesと名付けたのは、アレキサンドリア学派のエラシストラトスErasistratus(BC310-250)である。前立腺が膀胱の前に立ってこれを守っていると考えたのだろう。日本では、以前には摂護腺と呼ばれていたが、ギリシャ語の直訳の前立腺が現在では正規の用語になっている。)

Base of prostate(前立腺底;膀胱面(前立腺の))Basis prostatae ぜんりつせんてい;ぼうこうめん(ぜんりつせんの) Feneis: 194_02

[A09_3_08_002]

Proximal part of prostate(近位部(前立腺の))Pars proximalis prostatae きんいぶ(ぜんりつせんの) Feneis: 194_03

[A09_3_08_003]

Peri-urethral gland zone of prostate(傍尿道腺組織部;尿道周囲腺帯(前立腺の))Zona glandularum periurethralium prostatae ぼうにょうどうせんそしきぶ;にょうどうしゅういせんたい(ぜんりつせんの) Feneis: 194_04

[A09_3_08_004]

Distal part of prostate(遠位部;末端部(前立腺の))Pars distalis prostatae えんいぶ;まつたんぶ(ぜんりつせんの) Feneis: 194_05

[A09_3_08_005]

Apex of prostate(前立腺尖)Apex prostatae ぜんりつせんせん Feneis: 194_06

[A09_3_08_006]

Anterior surface of prostate(前面;恥骨面(前立腺の))Facies anterior; Facies pubica ぜんめん;ちこつめん(ぜんりつせんの) Feneis: 194_07

[A09_3_08_007]

Posterior surface of prostate(後面;直腸面(前立腺の))Facies posterior; Facies rectalis こうめん;ちょくちょうめん(ぜんていせんの) Feneis: 194_08

[A09_3_08_008]

Inferolateral surface of prostate(下外側面(前立腺の))Facies inferolateralis prostatae かがいそくめん(ぜんりつせんの) Feneis: 194_09

[A09_3_08_009] →(前立腺の下外側面は前立腺の恥骨体および骨盤隔膜に向いた面。)

Right and left lobes of prostate; Prostatic lobes(右葉と左葉;外側部(前立腺の))Lobi prostatae dexter et sinister; Partes laterales うようとさよう;がいそくぶ(ぜんりつせんの) Feneis: 194_10

[A09_3_08_010] →(前立腺の右葉と左葉は尿道の左右両側にあり、本来の腺組織が発達してできる。前立腺の後面には、左右両葉の間に浅い溝がみられる。)

Inferoposterior lobule of prostate(下後小葉(前立腺の))Lobulus inferoposterior prostatae かこうしょうよう(ぜんりつせんの) Feneis: 194_11

[A09_3_08_011]

Inferolateral lobule of prostate(下外側小葉(前立腺の))Lobulus inferolateralis prostatae かがいそくしょうよう(ぜんりつせんの) Feneis: 194_12

[A09_3_08_012]

Superomedial lobule of prostate(上内側小葉(前立腺の))Lobulus superomedialis prostatae じょうないそくしょうよう(ぜんりつせんの) Feneis: 194_13

[A09_3_08_013]

Anteromedial lobule of prostate(前内側小葉(前立腺の))Lobulus anteromedialis prostatae ぜんないそくしょうよう(ぜんりつせんの) Feneis: 194_14

[A09_3_08_014]

Middle lobe of prostate(中葉(前立腺の))Lobus medius ちゅうよう(ぜんりつせんの)Albarran's gland Feneis: 194_15

[A09_3_08_015] →(前立腺の中葉は尿道の後方で、左右の射精管の前にある部、すなわち尿道と射精管との間にあるクサビ状の部で、主として内線で占められる。中葉は加齢とともに肥大し、上方に突隆するようになる。このような中葉の突隆によって、膀胱頚の内面で内尿道口のすぐ後ろに膀胱垂ができる。)

Isthmus of prostate; Commissure of prostate(峡部;前立腺峡;前立腺交連(前立腺の))Isthmus prostatae; Commissura prostatae きょうぶ;ぜんりつせんきょう;ぜんりつせんこうれん(ぜんりつせんの) Feneis: 194_16

[A09_3_08_016] →(前立腺の峡部は尿道の前にある部で、左右の葉を結ぶ中間部で、主として線維性結合組織と平滑筋とからなり、腺組織はすくない。)

Capsule of prostate(前立腺被膜)Capsula prostatica ぜんりつせんひまく Feneis: 194_17

[A09_3_08_017]

Parenchyma of prostate(実質(前立腺の))Parenchyma prostatae じっしつ(ぜんりつせんの) Feneis: 194_18

[A09_3_08_018] →(前立腺の腺組織は30~50個の嚢状腺からあなり、約20本の導管となって尿道に開口する。このような腺組織の他に、尿道の粘膜下に小腺がある。この小腺を内腺といい、前立腺をつくる本来の腺組織を外腺と呼ぶこともある。)

Prostatic ducts(前立腺管;前立腺小管)Ductuli prostatici ぜんりつせんかん;ぜんりつせんしょうかん Feneis: 194_19

[A09_3_08_019]

Muscular tissue of prostate(筋質(前立腺の);前立腺筋)Substantia muscularis; Musculus prostaticus きんしつ;ぜんりつせんきん(ぜんりつせんの) Feneis: 194_20

[A09_3_08_020]

Puboprostaticus; Puboprostaticus muscle(恥骨前立腺筋)Musculus puboprostaticus ちこつぜんてきん

[A04_5_04_005]

Vesicoprostaticus♂(膀胱前立腺筋)Musculus vesicoprostaticus ぼうこうぜんりつせんきん

[A08_3_01_021]

Trapezoid area below prostate(三角部;菱形野(前立腺下方の))Area trapezoidea infraprostica さんかくぶ;りょうけいや(ぜんりつせんかほうの) Feneis: 194_21

[A09_3_08_021]

Bulbourethral gland; Cowper's glands(尿道球腺;カウパー腺)Glandula bulbourethralis にょうどうきゅうせん;かうまーせんCowper's glands Feneis: 196_01

[A09_3_09_001] →(尿道球腺はカウパー腺ともよばれる。尿道海綿体球部の後上方、尿生殖隔膜内に位置する。女性の大前庭腺(バルトリン腺Bartholin's gland)に相当する。尿道球の後端両側に位置する径1cmほどのえんどう豆大の粘液腺で、導管は長く、3~4cm、尿道球腺管といい、前方へ走って尿道海綿体部のはじまりの部分で下面に開く。弾性の性的興奮時には、この線の分泌物部が尿道を潤す。1702年にイギリスの外科医・解剖学者William Cowper (1666-1709)が記載したことによるが、これに先だつ1684年にJ. Meryが報告している。)

Duct of bulbo-urethral gland(尿道球腺管;排出管(尿道球腺の))Ductus glandulae bulbourethralis; Ductus excretorius にょうどうきゅうせんかん;はいしゅつかん(にょうどうきゅうせんの) Feneis: 196_02

[A09_3_09_002] →(尿道球腺管は3~4cm長の腺排出管。)

最終更新日: 19/10/13

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