Rauber Kopsch Band2. 53

VI.外転神経N. abducens(図511, 513)

 外転神経は橋の外転神経核より発し,橋の下縁において錐体との境のところから表面にでる.この神経は滑車神経と同じく1個の筋だけにゆく.それは外側[眼球]直筋である.

 (Swensson 1949によると)この神経は脳から出るときには5890本の神経線維を,筋に入るときには7220本の神経線維をもっている.

 以前に学者によって記載された交感神経ならびに三叉神経との吻合は存在しない(Swensson 1949による).この神経に含まれる知覚性の線維は三叉神経中脳核から来ている.

S. 470

 局所解剖:外転神経はまず斜台の上に平たく乗り,次いで鞍背のうしろ外側で硬膜のつくる外転神経孔を通って海綿静脈洞に入る.この静脈洞の中では1つの硬膜鞘に包まれて内頚動脈の外側面にあり,次いでこの静脈洞を去って上眼窩裂に達し,動眼神経の下を通って眼窩に入る.この神経は外側直筋の両頭のあいだを通りぬけたのちにこの筋の内面からはいってゆく.

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最終更新日 13/02/03

 

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