歴史的な偉大な解剖学書
中心球あるいは中心子の何れにいっそう重要な形態学上および生理学上の意味があるかは,なお決定していない.Mevesおよびその他の人びとは中心小体すなわち中心子の存在に重きを置いている.その理由は組織細胞分裂にあたって,中心小体はよく見えるが,球は多くの場合に存在しないことである.
歴史:Edurd van Benedenが1876年に初めて二杯虫類Dicyemidenの卵において中心球を発見し,ついで1883年に蛔虫Ascarisにおいてみた.-Heidenhain, M., Plasma und Zelle. Jena,1907.-Henneguy, La Cellule.-Hertwig, O., Die Zelle. Jena. G. Fischer.-Wilson, H. V., The Cell.-Mollendorf, W. von, Handbuch der mikr. Anat. Berlin,1926~52. )
[図6]中心球の構造を示す模型図
[図7]中心球と星の微細構造(Erlanger,1897による模型図.)
[図8]1つないし3つの中心子をもつ中心球3~4才のネコの角膜の内境界膜に接する内皮細胞.(E. Ballowitz,1900)
[図9]2つの中心子をもつZentrophormiumネコの前眼房の内皮細胞1個.(Ballowitz,1900)
[図10]サンショウウォの幼生の腹膜よりえられた白血球.中心小体は明るい部分に取り囲まれて,更にその周囲に放射状の球Sphareがある.(W. Flemming)
[図11]中心小棒Zentralstab,すなわち棒状をなす中心小体,と2個の核.硬骨魚Sargus(棘鰭類に属する)の黄色の色素塊にてみられたもの.(K. W. Zimmermann)
1)細胞内の足場(建築のときに組み立てる)の意.(小川鼎三)
内網装置は前にはBinnennetz (Kopsch,1902)とよれば,いまでは多くのばあいゴルジ装置Golgi-Apparatとよばれるが,Binnengerüst, Endopegma (Kopsch,1925)というのが最もよいと考えられる.これは脊椎および無脊椎動物のすべての細胞に存在する細胞器官である.
以前に“副核”Nebenkernとよばれたものは内毛瘡土地,細胞体の一部でその網のあいだにある部分を合わせたもので,ときには中心球もそれに属している.
形態:内網装置は成長した脊椎動物の細胞では多くの場合に最大いろいろの円柱状の小梁を組み合わせた形であって,それが糸毬状をなし(図12),あるいは中空の球の壁をなしている(図9,13).
位置:上皮細胞ではそれは多くは核と細胞の自由面とのあいだにある.すなわち核の上方oberhalbdes Kernsにある(図12).しかしときとして核と細胞底とのあいだ,すなわち核の下方unterhalb des Kernsにある.まれには核のまわりをかこんでいる.神経細胞では概してそうである(図124).平たい薄い細胞では内網装置の大部分がふつうに核のそばneben dem Kernにある(図8,9).
最終更新日09/07/13