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[図60~62]上皮細胞における細胞内神経終末 (Boeke, Zeitschr. mikr.-anat. Forsch. 2. Bd.,1925より.)図60. チゴハヤブサBaumfalkenの角膜上皮の細胞.図61. ハリネズミの輪郭乳頭の扁平上皮細胞図62. ハリネズミの味蕾の内部細胞(感覚細胞)

2.結合および支持組織Bindesubstanzgewebe

 定義:結合および支持組織は細胞間物質(あるいいは原線維間物質),細胞および線維より成っている.

 この組織は中胚葉に由来するもので,動物体の支持器官をなし,血液およびリンパをつくる.

 このグループに属する組織はいろいろあって,互いのあいだで重要な多くの差異を示すが,その起原が一致すること,他のものに変形する性質があること,比較解剖学的に特徴があること,およびまた種としてその機能の点で,完全な1群にまとまるのである.これらの組織の大部分をまとめて特別な1群となして,これに結合物質Bindesubstanzという名前をつけたのはReichert 1845が初めてである.

 上に述べた3つの成分はこの組織群に属するいずれの種類の必ず存在するが,その中で最も本質的なものは細胞であって,これから他の2成分ができるのである.つまり細胞が細胞間物質および原線維をつくる.-早い時期の胎児では始めに結合組織Bindegewebあるいは間葉(間充組織ともいう)Mesenchymとして細胞が集まって網状を呈していく(図63),この細胞が突起をだしてたがいにつづいている.間葉の細胞は結合および支持組織のいろいろの種類ができてくる源なのである.

 細胞間物質Interzellularsubstanzは細胞や線維の間にある無構造ののもので,従ってその名前のごとく細胞間のみでなく,また原線維間物質Interfibrillarsubstanzなのである.

 Schaffer(Anat. Anz.,19. Bd.,1901)はこの無構造の中間物質を接合質Kittsubstanzとよんだ.v. Korff: Merkkei. u. Bonnet, Ergebnisse,17. Bd.,1909をも参照のこと.R. Virchow, Kollikerやその他の学者によればこの物質は結合組織細胞から分泌されて生ずる.この“分泌説”Sekretionslehreに対して比較的新しく別の学説が登場している.それは細胞間物質が細胞の外形質Exoplasmaの変形によって生ずるという“外形質説”Exoplasmalehreである.それにあとで細胞からの分泌物が加わるというのである.Heidenhain, Plasma und Zelle. Jena,1907-1911.-Stundicka, Sitzber. Bohm. Ges. Wiss. Prag,1907, Anat. Znz.1907, Anat. Anz., 38. Bd.,1911. Z. Zellforsch., 4. Bd.,1926.

 基質Grundsubstanzという名称は原線維と原線維間物質ないし細胞間物質をみな含めたものに用いられる.結合組織の線維の由来については後述39頁を参照のこと.

[図63]胎児の結合組織 ×400(Gegenraurによる.)

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最終更新日13/02/03

 

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