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8. リンパ様組織lymphoides (cytogenes, adenoid. es, retikuläres)Gewebeはリンパ細網組織lymphoretikuläres Gewebeという名前がいっそう適切であるが,大部分が円い小さい細胞(リンパ球)より成り,結合組織性の線維が網状をなして支え,また少量の細胞間物質がある.

 リンパ球は小さい球形の脂肪である.この細胞の大部分を占めて球形の核があり,声は密なクロマチン網を示す.原形質は核のまわりにせまい縁をなすのみである.この小さい細胞の他に数はいっそう少ないがもっと大きい核をもち,細胞体もいっそうよく発達している細胞がみられる.これらの細胞は細胞線維Retikulumfasernという結合組織線維がつくる支柱の網の目に存在する.この網はリンパ球があまり多数であるため,それに被いかくされている.切片標本をつくって,細胞成分を筆で掃いのけたり,切片を揺り動かして細胞を除くか,あるいは特殊染色で細網線維をそめることによって,初めて支柱をなす網の像をはっきりみることができる.細網組織retikuläres Gewebeという名称はこの像に基づくのである.

 リンパ様組織は体内にはなはだ多くの存在する.特にこれはリンパおよび血液をつくる多くの重要な器管にある.すなわち数多いリンパ節,孤立および集合リンパ小節,所々にある扁桃,胸腺,脾臓の中にある.なお粘膜の定まった場所,舌や腸や呼吸器系の粘膜および結膜にもみられる.

 これらすべての場所でリンパ様組織はリンパ球や白血球の発生するところBrutstätteとみなさえるのである.扁桃の組織や孤立および集合リンパ節の組織は比較的近年の研究によれば上皮細胞とリンパ球とが密接に混じり合ったものから生じたといわれる.そのためにリンパ上皮組織lumphoepitheliales Gewebeとよばれるのである.

[図86]リンパ球をもつ細網組織.ヒトのリンパ節より.×600.

9. 色素結合組織pigmentiertes Bindegewebeは色素結合組織細胞すなわち枝分かれをした細胞体で,これが色素顆粒でみたされている結合組織細胞を多数にもったことが特徴であって,そのほかに膠原線維と弾性線維また色素顆粒をもたない別の種類の結合組織細胞ならびに少量の細胞間(原線維間)物質がある.

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最終更新日13/02/03

 

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