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休止の状態では球形であり,4~14µの直径をもっている.アメーバ様の運動をするので,従っていろいろと変わった形をとる(図94).

 細胞の大きさ,核の形,ならびに細胞体の構造やその染色性によって白血球に5種が区別されている(図90).その第1と第2の種類は単核白血球uninucleäre Leukocytenとして,その他のものすなわち多核白血球multinucleare Leukocytenと比較されるのである.白血球のあらゆる種類はおそらく1つの共通の原形かあできてくるのであって,その原形としてはリンパ球が考えられる.

a)リンパ球Lymphocytenはたいてい赤血球くらいの大きさであって,つよく染まる比較的に大きい球形の核と,この核をとりまく原形質のせまい薄い層をもっている.

b)単核球MonocytenはEhrlichにより移行型Übergangsformenとよばれたもので,正常の血液細胞としては最も大きいものであり,20µに達するのがある.単核球はリンパ球に似ているが,大きさがいろいろであって,染色性のよわい1個の大きな核を有し,これが時としては分葉形である.

c)中好性白血球neutrophile Leukocytenは赤血球のほとんど2倍ほどの大きさである.核はいわゆる多形polymorphすなわちいろいろと異なる形である.馬蹄状,クローバの葉の形,あるいは不規則な形をして,いくつかの部分に分かれており,つよく染色する密な核材をもっている.細胞体は密集した細かい顆粒をもっていて,この顆粒は酸性の色素にも塩基性の色素にもよく染まらないで,それらを混ぜてつくった色素液の中で,一方に偏しない色調に染まるのである.

d)酸好性白血球acidophile (eosino-oder oxyphile) Leukocytenは中好性白血球と同じぐらいの大きさで,やはり多形の核をもっている.この核もいくつかの辺に分かれてるのがしばしばである.細胞体はつよく輝くところの粗大な顆粒で密にみたされていて,この顆粒がエオシンやフクシンのような酸性色素をむさぼるごとく摂取するのである.

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最終更新日13/02/03

 

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