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4. 異形成の特殊型dysplastische Spezialtypenは上に述べた3つの主な型とははなはだ違っている.これは多少とも病的なものであるから,正常解剖学のらち外である.それゆえだだ名前だけあげておこう.Kretschmerはこれにa)宦官性の異常に丈が高い人,b)宦官性で同時に多種の線の異常が原因をなしている脂肪過多の人,c)幼い状態に止まっているものおよび低形成hypoplastischの人,という3群を区別している.

Bauter, J., Vorlesungen über allgem. Konstitutions-und Vererbungslehre. 2. Aufl.1923.-Pfuhl., Die Beziehungen zwischen Rassen u. Könstitutionforsch. Z. Konst.-Lehre,9. Bd.,1923.-Kretschmer, E., Korperbau und Charakter.15. /16. Aufl.1943.-Nägeli, O., Allgemeine Konstitutionslehre. 2. Aufl.1934.-Jankowsky, W., Konstitution, Körperhbau und Rasse. Anat. Anz., 70. Bd.,1930.-Brandt, W., Grundzüge einer Konstitutionsanatomie.1931.-Much, H., Ist die Konstitution veränderlich? Med. Welt.1932.-Jaensch, W., Konstitution und Klinik.1. Jhrg.1. Heft,1938.-Martius, F., Konstitution und Vererbung. Berlin ,1914.

4.身体の諸部と表面の形Abteilungen des Körpers und Oberflächenform

 身体は体幹Stammとそれぞれ1対の上肢および下肢obere und untere Gliedmaßenすなわち四肢より成る.

 四肢が体幹に対する形態学的な関係としては,上肢も下肢も中心部をなす体の壁から左右対称的に伸び出したものという形をしている.それゆえ四肢は体幹の一部であるごとくみえる.機能の点からいうと,四肢は知覚および運動の主要な器官である.体幹は知覚および運動の一部を受け持つが,生きてゆくためのその残りの仕事はすべて体幹のつかさどるところである.

 体幹の立体的基本形はやや平らにされた円柱,あるいはまた二等辺の底をもつ錐体とも考えることができるが,これに3つの主要部すなわちCaput, KopfとCollum, HalsとTruncus, Rumpfを区別する.

 胴にはまたつぎの3つの部分がある:Thorax, BrustとAbdomen, Bauchと骨盤部Pelvis, Becken.

 胴体をみると,その前面では頚と胸Pectusとの境界が鎖骨之位置によってある程度示されている.鎖骨の外側部は肩甲骨と結合して,相ともに上肢帯をなしており,これが上肢の自由部をたもっている.これによって胸の上部の両側にある肩峰という高まりが生じ,またこの部分で胴の幅が著しくひろいのである.鎖骨のすぐ下には左右おのおのの1つのへこみ,すなわち鎖骨下窩Fossa infraclavicularisがある.また胸の前面のはなはだめだつ特色として女では乳頭Papilla mammae, Brustwarzeをもつ乳房Mammae, Brüsteがあり,男では乳頭が痕跡的に小さくて,その周りに乳頭と同じように褐色を呈する乳輪Areola mammae, Warzenhofeがある.

 胴の前面の中央部で胸が腹Abdomenに移行するところに1つのへこみすなわち心渦Herzgrube(あるいはMagengrube)がある.その両側で胸壁の下縁はやはりこれも外から見えるところの頬骨弓によって,いっそう軟らかい腹壁から境されている.頬骨弓は心渦から下外側,そして後方にすんでいる.心渦から上方に向かって頚の根まで正中の溝がのび,また下方は恥丘Mons pubis, Schambergにむかって正中溝が達する.腹の正中線の溝の中1/3と下1/3の境にUmbilicus, Nabelがある.臍のインドの回々教の僧が特別な注意を向けるのはもっともなことである.壊疽は大事な場所で,円く高またっていたり,引っ込んでいたり,あるいは円く高まると同時にへこんでいたりして,独特な形である.胎児の時にはここから臍帯Funiculus umbilicalis, Nabelstrangというその胎児に属する索がのびて胎盤に達しており,この胎盤によって母胎との結合が実現されていたのである.生まれてから2,3日のうちに臍帯は新生児から離れ落ちる.その傷の面が瘢痕性になり,かくして臍ができる.臍のある部分の両側のところが側腹Latusである.そこから背中がわにつづいて腹の後面になたところが腰Lumbusである.これと腹との移行部および骨盤部がつよく高まっていて寛骨部Coxae, Hüfteとよばれる.腹の下部と大体前面との境をなす溝が鼡径溝Leistenfurcheであって,これは前腸骨棘から恥丘の側方まで下りている.この溝のすぐ上のところが鼡径部Inguen, Regio inguinalisで,溝の下方には鼡径下窩Fossa subinguinalisがある.

 腕を上方にあげて,胴を側方からみると,その側面の上部に腋窩Fossa axillaris, Achselgrubeというへこみがあって,これは前と後ろから皮膚で被われた筋肉の高まりによって縁がつけられている.



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最終更新日11/05/03

 

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