Band1.089   

 股を開いて体幹の下端部あるいは骨盤部を,左右の大腿のつけ根の間から腹方へ恥丘にむかってたどると,肛門と外陰部との間にあるせまい場所として本来の会陰Perineum, Dammがみえる.会陰の腹方に外部生殖器がある.しばしばまた肛門と外部生殖器を含む全体の部分が会陰とよばれる.

[図150]人体の諸部分Regiones corporis humani. 後面.(His, die anatom. Nomenclatur 1895の図に基づいて,Fr. Kopschが用語をJ. N. A. に合わせて書き改めたもの.)

 頭と胴との結合部であるCollum, Cervixはことにその中央部が円柱の形にはなはだ近いのであって,それ下り上方では頭とつづくために特に背腹の方向に広くなり,下方では太さの増し方はいっそう著しいが,ことに横の方向でその増加がめだつのである.前面では頚は比較的短くみえる.それは頭の顔面部が頚の上部の前になっているからである.頭を普通の姿勢に保つときは頚の前面の上部は口腔の底のあたりで,オトガイにむかっておよそ直角に曲がっている.

 頚では前頚部Vorderhalsと後頚部Hinterhalsを区別することが多い.前者は頚の内臓部Eingeweideteilであり,後者は同じく脊椎と筋肉の部分である.前傾の上部に喉頭隆起Prominentia laryngica, Adamsapfelがみえている.前傾の下方の境で正中部の頬骨縁によって区切られる頚窩Fossa jugularis, Kehl-oder Drosselgrubeがある.鎖骨の上方には大鎖骨上窩Fossa supraclavicularis majorがある.後頚の上部はNucha, Nackenであって,喉頭との境に項部Regio nuchae, Nackengrubeというへこみをもっている.



S.089   

最終更新日11/02/21

 

ページのトップへ戻る