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骨小腔も骨細管も必ず石灰化した原線維間質(接合質Kittsubstanz)に包まれている.そしてこの接合質は小腔や細管の周りで非常に密な性質をもっている(境界層Grenzchicht).

[図160]骨の横断研磨標本 ×100 ヒトの手の中節骨の骨幹.

 骨組織の構成に必要な役割を演じているものにシャーピー線維Sharpeysche Fasernまたはdurchbohrende Fasern(穿通する線維の意)というものがある.この線維は骨膜から直接に骨質の中へ射入する(einstrahlen)線維性結合組織の束で,石灰化していることもあり,していないこともあり(図16),ときには細胞をともなうこともある.

 シャーピー線維は外基礎層板とおれに隣接する介在層板とに侵入して,いろいろな方向に走る.また弾性線維を含むこともしばしばある.シャーピー線維は,骨膜性periostalまたは結合組織内endesmalの起原をもつすべての骨の中に,多少の差はあれ豊富に存在するものである.



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最終更新日11/02/23

 

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