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関節顆のうしろには,それぞれ1つのくぼみがあって,顆窩Fossa condylicaとよばれる.ここには顆管Canalis condylicusという静脈の通る管の後方の口があるが,この開口がいつもあるとは限らない.顆管の前方の口はS状洞溝の中にある.後頭窩の上方には第12脳神経の通る,短い太い管があって,舌下神経管Canalis n. hypoglossiという.外側部の側縁はうしろの部分では厚くて凹凸に富むが,前の方では頚静脈切痕Incisura jugularisによって強くえぐりとられている.頚静脈切痕のところには,前の方に棘が1つ出ていて,側頭骨の同様の棘と向きあい,[頚静脈]孔内突起Processus intrajugularisとよばれる.

[図211]後頭骨 内方から(4/5).

 後頭顆の外側にある骨板はその外面に凹凸があり,あるいは時どき乳突傍突起processus paramastoideusという先の鈍い突起をもっている.他方,その上面すなわち内面には,頚静脈突起Processus jugularisの上部が著しく突起しており,S状洞溝へ向かって落ち込む斜面をなしている.舌下神経管の上方と前方とで,この管の屋根にあたる部分が1つの小高い隆起を作っており,これを頚静脈結節Tuberculum jugulareという.

 後頭鱗の外面にはほぼ中央に,表面のザラザラした高まりがあって,これを外後頭隆起Protuberantia occipitalis externaという.この隆起から下へ大後頭孔の方に向かって,正中部を1本の隆起線が細くなりながら伸びる.これが外後頭稜Crista occipitalis externaであって,外後頭隆起とともに項中隔のの付着するところになっている.外後頭隆起から外側には分界項線Linea nuchalis terminalisが側方へ伸びている.分界項線のさらに上に,細くていっそう強く弯曲した界上項線Linea nuchalis supraterminalisがはっきり認められることがあって,界上項線とのあいだに,左右1つずつ鎌形の領域が囲まれることがある.

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最終更新日13/02/03

 

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