Band1.195   

次に鼻腔の中をのぞくと,3つの甲介と3つの鼻道,それに蝶篩陥凹の下端が容易に認められる.蝶形骨体の下面には2つの小さい管がある.そのうち内側にあるのが頭底咽頭管Canalis basipharyngicusで,鋤骨翼の外側にあるのが咽頭管Canalis pharyngicusである.翼状突起のつけ根には,翼突窩の上に内側板に近く舟状窩Fossa scaphoidesがあって,その中から口蓋帆張筋の一部が起る.さらに外側には三叉神経の第3枝の通る卵円孔Foramen ovaleがあり,そこからわずかに離れたところに棘孔Foramen spinaeがあり,そのうしろには発達の程度のまちまちな蝶形骨棘Spina ossis sphenoidisが突出している.卵円孔・棘孔・蝶形骨棘の3者を結ぶ線とほぼ平行に[]錐体裂Fissura sphenopetrosaと耳管溝Sulcus tubae pharyngotympanicaeが走っている.耳管溝は大翼に属しており,錐体尖で筋管総管に通じる.

[図273]頭蓋(45才の男)前からみる(7/10) (ベルリン解剖学教室所蔵の標本)

S.195   

最終更新日13/02/03

 

ページのトップへ戻る