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 鋤骨より後方では後頭骨の底部Pars basialisがつづく.頭蓋咽頭管Canalis craniopharyngicusがもしかすると存在するかも知れないから,これに注意すべきである.大後頭孔の前縁から少しはなれたところに咽頭結節Tuberculum pharyngicumが突出している.その側方にななめ前外側へたがいに平行な2本の隆起線が走っている.前の1本は頭長筋,うしろの1本は前頭直筋のつくところである.大後頭孔の側縁のわきには各側に後頭顆Condylus occipitalisがある.

 後頭骨の底部と翼状突起の底および錐体尖のあいだに破裂孔Foramen lacerumがあって,頭底線維軟骨Fibrocartilago basialisでふさがれている.側頭骨の表面には頚動脈管の外口Apertura externa canalis caroticiがあり,さらにその外側には関節結節Tuberculum articulare,下顎窩Fossa mandibularis,錐体鼓室裂錐体鱗裂Fissurae petrotympanica et petrosquamalisがある.

 頭蓋底の外面の後部にはまず大後頭孔があり,その. かたわらには後頭顆があり,さらにそのわきには後頭骨の外側部Pars lateralisとその乳突傍突起Processus paramastoideusがある.後頭頼の上外側に舌下神経管Canalis n. hypoglossiが開き,後頭顆のうしろには顆間Canalis condylicusが開く.後頭骨の外側部と側頭骨のあいだには頚静脈孔Foramen jugulareがあって,頚静脈孔内突起Processus intrajugularesで2つの部分に分けられている.茎状突起鞘Vagina processus styloidisでかこまれた茎状突起Processus styloidesや,茎乳突孔Foramen stylomastoideum, 乳様突起Processus mastoidesなどが見られるが,ここでは特に述べない.

[図274]頭蓋 45才の男, 側方からみる(7/10) (ベルリン解剖学教室所蔵の標本)

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最終更新日13/02/03

 

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