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乳様突起の内側にはひじょうに変異にとむ乳突切痕lncisura mastoideaがあって,顎二腹筋り後腹の起始部をなしている.この切痕の方向と平行して,これまた非常にさまざまな強さの後頭動脈溝Sulcus arteriae occipitalisが,1つの骨隆起の上を走っている.後頭乳突縫合の中あるいはその近くに乳突孔Foramen mastoideumが1つまたはそれ以上の口をもって開いている.

 頭蓋底の後部項領域Nackenfeldは後頭鱗の項平面Pianum nuchaleに属している.すなわち大後頭孔の後縁から外側へ乳様突起の後縁にまで伸び,界上項線までひろがっている.ただしこれは局所解剖学的な境界であって,形態学的にみた頭蓋底の境界は,後方では大後頭孔の前縁までである.項領域では正中部を走る外後頭稜Crista occipitalis externa,項平面線Linea planinuchalis,分界項線L. nuchalis terminalis,界上項線Lsupraterminalis, 外後頭隆起Protuberantia occipitalis externaなどに注意すべきである.

[図275]頭蓋底の外面45才の男, (7/10) (ベルリン解剖学教室所蔵の標本)

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最終更新日13/02/03

 

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