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近位端はBasis phalangisとよばれて太く,関節面Facies articularisという横ながの卵円形の関節窩をなし,相当する中手骨の小頭をうける.遠位端は滑車Trochlea phalangisで,底ほどではないが太くなっていて,1つの溝で分けられた2つの円い高まりをそなえている.その側面には中手骨と同様に側副靱帯の付着する小領域がある.

 中節骨Phalanx media, Mittelgliedは基節骨より小さいが,かたちは似ており,ちがうところは底の関節面のくぼみに,隆起した導線Führungsleistenがあって,これに基節骨の滑車の溝がはまるようになっていることである.

 末節骨Phalanx distalis, End-od. Nagelgliedでは底は中節骨と同様であるが,底の近くで掌側に深指屈筋の腱の付着のための粗面がある.体は細くてそのさきは幅の広いシャベル形の板に終っている.この部分は爪粗面Tuberositas unguicularisとよばれ,掌側が粗面をなしており,外側には(錨のような)逆鈎がついている.

[図296]手の骨格 生体(13才)の手のX線像.背掌照射(4/9)

[図297]3節の母指をもつMartina(19才)の右手(H. Rieder,1900)

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最終更新日13/02/03

 

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