Band1.235   

c)足の舟状骨Os naviculare pedis,Kahnbein(中心骨Centrale) (図330,331,353,354)

 舟状骨は距骨の頭と3つの楔状骨とのあいだにあって,近位面はくぼんだ1つの関節面,遠位面は3つの部分に分れた関節面をもつ. 背側および底側にはそれぞれ1つの粗面があり,腓側縁は幅がひろくて,角がまるくなっている.脛側縁は腓側縁より鋭く,ここに舟状骨粗面Tuberositas ossis navicularisという高まりが出ており,その下方には1つの溝が走っている.舟状骨粗面は1つの独立骨になっていることがある.これは外脛側骨Tibiale externumとして知られているものである.

d)3個の楔状骨Ossa cuneiformia, Keilbeine(図332343,353,354)

1楔状骨Os cuneiforme primumが最も大きくて,楔の刃の方は鈍くて足背に向き,楔の背は粗面をなして足底に面している.脛側面は凸面をなすが,前脛骨筋の腱のための斜め下方に向う溝がある.腓側面はくぼんでおり,背側縁と近位縁とに舌のような形の関節面をもっている.両端面のうち近位端の関節面の方が小さくて舟状骨と接し,遠位端の関節面は第1中足骨の底と接している.

 2および3楔状骨Os cuneiforme secundum, tertiumはそれぞれ1つの四辺形の粗な背側面と,せまい1本の下稜をもっている.

 三つの楔状骨の近位面は横の方向の同一面上にある.しかし遠位面はそうではなくて,第2楔状骨がいちばん短いので,第1および第3楔状骨の方がそれより長く前方に出て,第2中足骨の底の一部をはさんでいる.そのために第1楔状骨の腓側関節面には2つの部分が低い1本の隆線によって分けられている.すなわち遠位部(図334)が第2中足骨の底と結合する関節面であり,近位部(図334, b)が第2楔状骨のこれに対応する面(図336, b)との関節面なのである.同様にして第3楔状骨もその脛側面(図340)に第2中足骨と結合するための1つの関節面をもっている.第3楔状骨の腓側面は1つの平らな関節面(図342, e)で立方骨と結合し,1つの小さい面(図343, f-これは時どき欠如する)で第4中足骨と結合する.

e)立方骨Os cuboides, Würfelbein (図344347,353,354)

 立方骨は足の腓側縁にあって,その近位面で踵骨と結合し,2つの部分に分れた遠位面で第4および第5中足骨の底と結合している.脛側面には第3楔状骨との関節面(図346, e)があり,そのうしろに舟状骨との関節面があるが,これは存在が不定である.下面には1本の横走する著しい高まりがあって立方骨粗面Tuberositas ossis cuboidisとよばれる.この粗面の上を1つの滑かな面ないしは溝が走っており,ここを長腓骨筋の腱が通るので長腓骨筋腱溝Sulcus tendinis m. fibularis longiと名づけられている.

6. 中足骨Ossametatarsl, Mittelfußknochen(図348351,353,354)

 中足骨は5つの管状骨で,いずれも背側に凸の弯曲をなしている.そして不規則な形をして関節面をもつBasisと,3面をもつCorpusと,小頭Capitulumとよばれる円い遠位端とが区別される.第1中足骨が最も太くて丈夫であるが,また最も短い.そのほかの中足骨は第2から第5へと長さを滅じてゆく.

第1中足骨は第1楔状骨と関節結合をなすが,なお時どき第2中足骨との間にも関節をつくっている.第2中足骨は3つの楔状骨および第3中足骨と関節をつくり,第3中足骨は第3楔状骨および第2・第4中足骨と関節結合している.第4中足骨は第3・第5中足骨・立方骨,それから(常にではないが)第3楔状骨と関節で結合している.最後に第5中足骨は第4中足骨および立方骨と結合する.

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最終更新日13/02/03

 

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