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[図394] 後縦靱帯(4/5) (椎弓根のところを鋸で切ってある)

[図395] 前縦靱帯(4/5) H. Virchowの標本による.

II. 頭蓋と脊柱の連結(図396399)

  頭蓋と脊椎とをつなぐものとして2つの関節がある.環椎と後頭骨のあいだの1頭関節すなわち環椎後頭関節と,環椎と軸椎のあいだにある2頭関節すなわち環軸関節とである.

1. 環椎後頭関節(第1頭関節)Articuli atlantooccipitales (第1頭関節erstes Kopfgelenk)

 この関節をつくる骨は後頭骨と環椎である.

 関節面は後頭骨の左右の両顯と,環椎の上関節面Foveae articulares cranialesである.

 左右の後頭顆の表面ならびに左右の関節窩の表面は,長軸を横にした1個のの回転楕円体の表面から2つの長卵円形の部分を切り出したぐあいになっている.両関節面は縦(卵円形の長軸)の方向にも横(卵円形の短軸)の方向にも反つでいるが,横の方向での弯曲の方が強い.後頭顆と関節窩の縦軸は前方へ行くほど相寄っているが,その程度は個体的に多少の差がある.平均して左右の関節面の前端間の距離は21~25mm,後端間の距離は30.5~34 mmである(Fick).また横径は斜めに傾いており,外側端が内側端よりも上方にある.後頭顆の関節面はこれに対応する環椎の関節窩よりいくらか長い.

 個体差は数多くみられる.関節面が前方の大きい部分と後方の小さい部分とに2分している例は非常に多い.さらに関節面の弯曲には著しい差異があって,極端なものとして平たくて幅の広い低い型があるかと思うと,高くてほつそりとした,弯曲の強い型がある.

 あとの型のものはヨーロッパ人には稀である.

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最終更新日13/02/03

 

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