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左右の後頭顆は高さが同じではなくて,右のものの方が(突出の程度が)低いことが多い.

関節包はゆるい.

 それは環椎では軟骨縁のすぐきわで1つの関節包溝に付くが,後頭骨では後頭顆の内側および外側で,軟骨縁からやや離れたところから起っている.

 特別の装置として環椎後頭膜Membranae atlantooccipitalesがある.

 前環椎後頭膜Membrana atlantooccipitalis ventralisは環椎の前弓の上縁から起って,後頭骨体の外面を被う線維軟骨性の部分に移行する.この膜は正中部で前縦靱帯の上部によって強化されている(図397).

 後環椎後頭膜Membrana atlantooccipitalis dorsalisは前者よりも薄い.大後頭孔の後縁から起り,環椎の後弓の上縁に付いている.側方では環椎後頭関節の関節包に移行し,環椎の後弓の椎骨動脈溝と対応して1つのきれこみを示している.このきれこみは椎骨動脈溝の骨壁と共に,椎骨動脈・後頭下神経・静脈叢の通る管を形成している(図398).

 これら2つの膜は多量の弾性線維を交えた膠原組織束からなっている.

[図396] 頭蓋と頚部脊柱の関節結合の正中断

2. 環軸関節(第2頭関節)Articuli atlantoepistrophici(第2頭関節zweites Kopfgelenk)

 この関節をつくっている骨は環椎と軸椎である.

 関節面:両骨は4つの場所で関節結合している.

 すなわち両骨に次の7つの関節面がある:1,2軸椎歯突起のおよび後関節面Facies articularis ventralis, dorsalis, 3,4軸椎体の外側関節面Facies articulares laterales, 5,6環椎の下関節面Facies articularis caudalis, 7環椎前弓の歯突起関節面Facies articularis dentalis.環椎横靱帯の前面は軟骨で被われて,第8の関節面としてはたらいている.

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最終更新日13/02/03

 

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