歴史的な偉大な解剖学書
関節面は鎖骨の肩峰関節面Facies articularis acromialisと肩峰の関節面Facies articularis aclomiiである.
両関節面の形と大きさは個体によって非常にまちまちである.両関節面の輪郭はほぼ楕円形である.鎖骨の関節面は後外側に両き,肩峰の関節面は前内側に面している.同時に前者はやや下方に,後者はやや上方に向いている.
関節包はゆるやかで,前方では後方よりも厚い.
特別な装置としては関節円板があるが,これはたいてい不完全で,形や構造湊非常にまちまちであって,時どき欠けていることもある.関節腔がこの関節円板によって完全に2室に分けられることは全例の1%にしかない(Krause).補強靱帯としては2~4 mmの厚さの肩鎖靱帯Lig. acromioclaviculareがあって,ことの関節を上方から保護している.
力学:肩鎖関節はこの関節自身を貫く軸,あるいはそれから遠くないところを通る軸による任意の運動を肩甲骨にゆるしている.それでこの関節はごく単純に球関節とみなすことができる(R. Fick).
血管は肩峰動静脈網から来る.神経は前胸神経の1つ・鎖骨上神経・腋窩神経から来る.
鎖骨は烏口突起の上方を走る間に2つの強大な補強靱帯によって烏口突起と結ばれる.これはいっしょにして烏口鎖骨靱帯Lig. coracoclaviculareとよばれる(図413).両者はたがいにつながり合っていて,そのうち前方の靱帯は菱形部Pars trapezoides,後方のものは円錐部Pars conoidesと名づけられている.両者のあいだに時どき滑液包がみられる.
鎖骨と烏口突起のあいだに(その頻度はあまり高くないが)真の関節が認められることがある(E. Miessen, Anat. Anz.,83. Bd.,1937を参照).
[図411]右の肩鎖関節 肩甲骨と肩関節の靱帯(4/5,上からみる)
この関節をつくっている骨は肩甲骨と上腕骨である.
関節面は肩甲骨の関節窩Fossa articularis scapulaeと上腕骨頭Caput humeriで,前者は関節唇Labium articulareによって増大されている.
最終更新日13/02/03