Band1.330   

 関節包はほとんど全域で関節面の軟骨縁のすぐきわから起っている.踵舟靱帯の内面には関節包がない.

 関節腔は多くの場合ひとつジきの腔所をなしている.しかし距骨と踵骨の遠位関節面ど中関節面とが全く分離しているときには,距骨と踵骨の中関節面相互のあいだの関節腔が,独立した関節包によってその全周を閉ざされていることがある.

[図464] 右の足関節(4/5) 足底のがわからみる.関節包.指骨・中足骨遠位部は除いてある.(H. Virchowの標本)

特別の装置としては多数の補強靱帯がある.

1. 骨間距踵靱帯Lig. talocalcaneare interosseum:距骨溝の中で起って踵骨溝の中に付くもので,脂肪組織および足根洞嚢Bursae sinus tarsiとともに足根洞をみたしている.この靱帯は近位内側方から遠位外側方へ走るかなりの数の平らな線維束の集りである(図460, 462).

2. 踵舟靱帯Lig. calcaneonaviculare:これは重要な靱帯で,載距突起と踵骨の遠位内側の角から起って,舟状骨の内側面および下面につく.厚さはしばしば5mm以上ある.この靱帯の背側面には,距骨頭が接触して滑るところに,線維軟骨性の関節面がある.

 この関節面は時どき石灰化しているが,まれには骨化していることもある(図464).

S.330   

最終更新日13/02/03

 

ページのトップへ戻る