Band1.332   

 

5. 楔舟関節Articulus cuneonavicularis

 この関節をつくる骨は舟状骨と3つの楔状骨である.

 関節面は3つの小面に分れた舟状骨め遠位面と,3つの楔状骨の各近位面である(図467).

 関節包は関節面の縁のすぐきわに付いている.

 関節腔は第2と第3の足根中足関節,第1と第2の中足骨間関節につながり,さらに時どき楔立方関節とも通じている.

 特別の装置として背側足根靱帯Ligg. tarsi dorsalia,底側足根靱帯Ligg. tarsi plantaria,骨間足根靱帯Ligg. tarsi interosseaがある(図459, 460, 463, 464, 467).

 変異:舟立方関節Articulus naviculocuboideus

 これは舟状骨と立方骨のあいだの存在不定な関節である.関節面は舟状骨の外側縁と,立方骨の近位内側稜にある.この関節は1~2cmの大きさ(Bohnengröße)になることがある(Fick).

 補強靱帯背側足根靱帯Lig. tarsi dorsale(図460, 463)の1つと,斜立方舟靱帯Lig. cubonaviculare obliquum(図464)とである.

6. 楔立方関節Articulus cuneocuboideus

 この関節もまた必ずしも存在するものではない.立方骨の関節面は図346eに,第3楔状骨の関節面は図342eに示してある(図467).

 補強靱帯として背側足根靱帯Ligg. tarsi dorsalia(図460, 463),底側足根靱帯Ligg. tarsi plantaria,骨間足根靱帯Lig. tarsi interosseumがある(図467).

7. 足根中足関節Articulus tarsometatarsei,(リスフラン関節Lisfrancsches Gelenk) (図467)

 この関節をつくる骨は3つの楔状骨と立方骨,ならびに第1~5中足骨である.

 関節面は楔状骨と立方骨の遠位面, および中足骨の底の近位関節面である.中足骨の近位関節面のうち,第1中足骨の関節面はしばしば鞍状をなすという(L. FickとR. Fick)が,このことは著者じしんの経験でも確かめることができた.

 関節隙は一様な走り方をせず,何度も折れまがっている.とくに第2中足骨は,第2楔状骨が小さいために,第1および第3楔状骨のあいだで,それらより近位方へ割りこんでいる.外科学ではこの関係をよくのみこんでおくことが大切である.

 関節包はたがいに分離したものが3つ存在するのがふつうである(図462).第1の関節包は第1楔状骨と第1中足骨のあいだの1足根中足関節Articulus tarsometatarseus Iに属し,第2のものは第2・第3楔状骨と第2・第3中足骨のあいだの関節に,第3のものは立方骨と第4・第5中足骨のあいだの関節に属する.関節腔は第1と第3のものがたいてい完全に閉ざされているのに対し,第2のものはほとんど常に楔舟関節および中足骨間関節(第2・第3.第4中足骨のあいだの関節)とつながっている.

 特別の装置としては背側と底側に補強靱帯があるほか,骨間靱帯も存在する.すなわち背側および底側足根中足靱帯Ligg. tarsometatarsea dorsalia, plantaria(図460, 463, 464),骨間楔中足靱帯Ligg. cunqohletatarsea interossea(図467)がある.

8. 中足骨間関節Articuli intermetatarsei

 この関節は3つしか存在しないもので,第2~第5中足骨底が隣りどうし接しあう面によってつくられる.関節包も関節腔もたいていは独立せず,足根中足関節とつながっている.

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最終更新日13/02/03

 

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