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Kühneはこの細かい顆粒性の物質を足底質Sohlensubstanz, その核を足底核Sohlenkerneと名づけている.運動終板には,そのほかになお有核の被いがあって,これについては議論が今日でも分れている.それは終末鞘Telolemmaの名で呼ばれる.

 神経原線維を染色する方法を用いてしらべると運動終板の内部にある軸索の枝は,神経原線維の細かい網からできていることがわかる(図474, 475).この網からでる繊細な原線維の網が足底板Sohlenplatteの原形質を貫いてす~み,筋原線維のあいだに広がっている.これがBoekeのいう"Periterminales Netzwerk"(終末周囲網工)である(図475).

[図473] 横紋筋(トカゲ)の運動終板 鍍金法による,上および横からみたもの.

[図474] 運動終板および副線維,トカゲの背筋から得たもので神経原線維の網Neurofibrillennetzを示す(Boeke,1909).

[図475] 運動終板の神経原線維の網 コウモリVespertilio murinusの舌の筋線維 (Boeke,1909).

 かなり多くの筋線維には更に1本の細い無髄神経線維,すなわち副線維accessorische Fasern(図474)が入っている.この副線維の終り方に2つあって,その1つは運動終板の内部で目の細かい1つの網をなして終って,その網は運動神経線維の枝分れしたものとは全く別になっている.いま1つは運動終板とは別の個所で筋鞘の下で1つの小さい繊細な小終板Endplättchenをなして終っている.副線維は部そらく交感神経に属するのであろう(Boekf., Z. mikr.-anat. Forsch.,8, Bd.,1927).

 脈管神経Gefäsnervenは無髄性のもので,初めから脈管といっしょに入っているか,あるいは(運動)神経幹から分れて脈管に達している.

 知覚神経sensible Nervenは有髄性で,筋では特にその外面たあるし,腱でも,主に筋肉と腱との境に接してやはり表面に近く存在する.知覚神経は概して数が少ない,そして多種多様なぐあいで終っている.この神経は髄鞘を失って長い距離を走りながら淡い色をした細い終末となってそのまま終るか,あるいは筋鞘の上で(epilemmal)小終板をなして終り,さもなければ大,小の終末棍状体またはファーテル層板小体ならびにいわゆる筋紡錘Muskelspindeln(図476, 477)の形をとっている小体性の終末korpuskulare Endigungenがある.

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最終更新日13/02/03

 

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