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筋紡錘は細長い紡錘形をしたもので(Vossによれば2mm前後の長さである)少数の細い筋線維と多数の神経よりなっている.それは同心性に列んだ結合組織の層板より成る鞘に包まれて,一次あるいは二次の筋束の表面に接して内筋周膜の中にある.その細い筋線維には運動終板があり,更に(おそらくは)知覚性の神経線維の密に枝分れしたものによって包まれている.

 筋紡錘は眼筋および虫様筋には特にその数が多い(Voss. Z. mikr.-anat. Forsch., 42. Bd.,1937).筋紡錘の数は生後にはもはや増さないが,しかしその長さは増加する.Vossによれば手の虫様筋1個のなかで見いだされた筋紡錘の最大の数は59であると.

[図476]図469に示す筋の一部を強拡大でみた図 筋紡錘Muskelspindelが横断されている.

[図477] 筋紡鍾 羊の外側眼球直筋にみるもの.(Cilimbarisによる)

 腱にも同様に多数の知覚終末がみられる.その一部は自由終末であって,とくに筋と腱とのあいだの結合部の近くにあるが,その他の終末としてファーテル小体Vatersche Körperchen および腱紡錘Sehnenspindelnも見いだされる.腱紡錘は結合組織性の被膜を有し,これは隣接する腱束の鞘につずいている.この被膜に包まれた内部に幾本かの腱束があって,この腱束の表面には無髄になった神経線維が多数の細い小枝になって終っていて,この小枝は自由終末の形で網をなしている(図478).

Cilimbaris. A., Arch. mikr. Anat., 75. Bd.,1910.--Regaud, CL., Revue générale d'Histologie,1907.--Kerschner, L., Die sensiblen Nervenendigungen der Sehnen und Muskeln, Leipzig 1914.

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最終更新日13/02/03

 

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