歴史的な偉大な解剖学書
--Adachi, Beiträge zur Anatomie der Japaner XII. Die Statistik der Muskelvarietljten. Z. Morph. Anthrop.,12. Bd.,1909.--Wagenseil(Verh. Ges. Phys. Anthrop.1927)は,少数の筋について3つの大きい人種における差異を証明し,他の筋についてもおそらく差異炉あるだろうとの説を述べた.
変異を記載するには,次のごとく区別することが最も適当である:ある筋の完全な欠如,ある筋の重複,2つあるいはいくつかの筋束に分れていること,起始および停止のノコギリ状を呈する部分の増加と減少,隣接する器官との結合,筋実質と腱実質が普通と違った割合をしていること,全く新しい筋の出現である.
筋学各論において,個々の筋について最もしばしばみられる変異が述べられるであろう.それよりいっそう稀な変異については,Krause, Testut, Le Double, Eislerの記載ならびに年次報告 Jahresberichteを調べられたい.
Krause, W., C. Fr. Th. Krauses Handbuch der menschl. Anatomie 3. Aufl.1876~1880.--Testut, L., Les anomalies musculaires chez l'homme. Paris 1884.--Le Double, A. G., Traité des variations du système musculaire de l'homme. Paris 1897.--Eisler, P., Die Muskeln des Stammes. Jena 1912.--Loth, E., Anthropologie des parties molles. Paris 1931.--Wagenseil, F., Untersuchungen über die Muskulatur der Chinesen. Z. Morph. Anthrop., 36. Bd.,1936.
背部の筋を2群に大別し,それぞれを更に2つに分けることができる.
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1. 背部にあって体肢に関係するもの;僧帽筋M. trapezius, 広背筋M. latissimus dorsi, 菱形筋 Mm. rhomboides, 肩甲挙筋M. levator scapulae; |
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2. 背部の肋骨筋;上下の後筋鋸Mm. serrati dorsales; |
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II. 深層のもの |
3. 長い背筋群; |
狭義の背筋 |
4. 短い背筋群. |
左右の筋がいっしょになって四辺形をしている.僧帽筋という名称は,この筋の下半分が僧帽あるいはマントの頭巾に似ていることに由来している.
僧帽筋は扁平であり,しかもその各部分でいろいろと厚さが違っている.この筋は薄い腱をもって界上項線あるいは分界項線,外後頭隆起からおこり,更に短い腱をもって項中隔, 第7頚椎および胸椎全部の棘突起と棘上靱帯とから起る.下部の頚椎と上部の胸椎の範囲ではこの筋に1つのかなり大,きい菱形の腱鏡Sehnenspiegelがある.この筋は下行,横走および上行する筋束をもって肩帯に向い,鎖骨の外側1/3,肩峰ならびに肩甲棘に付着している.
神経支配:副神経,頚神経叢.
脊髄節との関係:C. II, III, IV.
作用:この筋は肩甲骨と鎖骨の外側端を引きあげ,肩甲骨の椎骨縁を内転させる,下部の線維は肩甲骨を下方に引く.上部の線維は両側がはたらくときには頭を後方に曲げ,1側がはたらくときには頭を回す.
最終更新日13/02/03