歴史的な偉大な解剖学書
一側の頭斜筋は顔面を反対側に向けるように頭を回す.環椎熱筋は環椎と頭を回し,それによって顔面をそのがわに向ける.
背筋系は脊柱の上部で特別な発達を示すが,下部では筋の痕跡を見るに過ぎない.ここでは後仙尾筋M. sacrococcygicus dorsalis(Extensor coccygis)について述べる.この筋は最下仙椎および第1尾椎から起り,腱様の条をまじえた扁平な層をなしてそれより下方の尾椎に付着する.この筋はしばしば欠如し,有尾哺乳類によく発達した筋,すなわちM. extensor s. levator caudaeと相同である.
神経支配:第5仙骨神経の前枝(?).
[図488] 腰背筋膜と周囲との関係.第3腰椎の高さにおける体幹の横断面横断した下の部分を上からみる.
背部においては次の筋膜を区別する:
背部の表層の筋膜で僧帽筋および広背筋の表面を包む線維性の薄い膜である.
この筋膜は前葉すなわち深葉,および後葉すなわち浅葉より成る.両葉の間に一まとめになった背部伸筋の腰部が包まれている.
深葉tiefes Blatt, すなわち腰腱膜Aponeurosis lumbalisは仙棘筋の腹側,腰方形筋の背側にあり,最下部の肋骨,腰椎の肋骨突起および腸骨稜のあいだに張っている.この筋膜から内腹斜筋および腹横筋が起る.最長筋および腸肋筋の下方の尖頭はこの筋膜に付着する.外腹斜筋の1頭はこの筋膜から起ることがある.この筋膜の内側部には普通多くの裂溝状の隙間がある.
仙棘筋の背方にある腰背筋膜Fascia lumbodorsalis. は線維性の膜で,この筋膜を介して広背筋および下後鋸筋が胸椎,腰椎,仙椎の棘突起,さらに腸骨稜から起る.外側下方でこの筋膜から大臀筋の一部が起る.上,下両後鋸筋の間を薄い層をなして上方に続き,上後鋸筋を越えて見えなくなる.また,この筋膜の仙骨部は下方で仙棘筋の起始腱と完全に融合していて,この部を腰背筋膜腱膜部Pars Aponeurotica fasciae lumbodorsalisという.
最終更新日13/02/03