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 背筋膜の特に厚くなった紐のような部分が棘肩甲靱帯Lig. spinoscapulare(Mollier)である.この靱帯は第5および第6胸椎の棘突起にはじまり,肩甲骨の下角に付着する.

3)項筋膜Fascia nuchae.

 項部において,一方では僧帽筋および大小の菱形筋の間と,他方ではいっそう深部にある筋群との間にある.この筋膜は分界項線に付着し,外側方にのびて僧帽筋の縁で頚筋膜の浅葉に移行する.正中線では項中隔と結合している.

[図489] 腹側の尾骨筋群 骨盤を前額断してその背方部を前よりみる(P. Eislerによる).

第2群:B. 腹側の筋群Muskeln der Ventralseite, Bauchmuskeln

 体幹の腹側の筋は5つの筋群よりなる.すなわち,尾骨の筋,腹部の筋,胸部の筋,頚部の筋および頭部の筋である.

第1群:前尾骨筋Mm. coccygici ventrales

日本人の後頭骨項平面における筋付着については,伊藤昌一:解剖学雑誌,8巻,1935を参照されたい.

 体幹の腹側にある筋には前仙尾筋M. sacrococcygicus ventralisと尾骨筋M. coccygicusとがある.

 前仙尾筋M. sacrococcygicus ventralisの存在は不定である.この筋ほ最下部の仙椎外側部の前面から起り(図489),下方および内側に走り最下尾椎の前面に終る.

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最終更新日13/02/03

 

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