Band1.371   

 作用:この筋の作用は外腹斜筋の作用と似ている.骨盤を固定しているときには肋骨を下方に引き,体幹を前方に曲げる.1側の作用により胸郭をそのがわに回す.

 またそのがわの外腹斜筋と共同にはたらいて,体幹を側方に曲げる.その腹腔への作用については372頁,腹圧の項を参照せよ.

 変異:肋骨における停止の数が普通より減少して2個になっていること,あるいは増加して4個になっていることがある.かなりしばしば腱画が最下部の肋骨の延長上にみられ,その中にはときに軟骨の含まれることがある.

[図493] 浅鼡径輪および大腿輪(P. Eislerの図をもとにして)

5. 腹横筋M. transversus abdominis, Quermuskel des Bauches. (図492, 502)

 この筋は内腹斜筋と腹直筋とに被われている.6個の尖頭をもって第7~第12肋軟骨の内面,腰腱膜(この筋の起始腱膜とみなすことができる),腸骨稜の内唇,鼡径靱帯の外側1/2から起る.その線維束は横の方向に走り,停止腱膜への移行は内側に凹の1線をえがいている.

S.371   

最終更新日13/02/03

 

ページのトップへ戻る