歴史的な偉大な解剖学書
これは前頭,後頭,側頭の3個所にある各1対の筋と結合していて,それらの筋の中心腱Zentralsehneをなしている.またこれらの筋によって帽状腱膜は頭皮とともにあちらやこちらに動かされるのである.これら3対の筋とは前頭筋,後頭筋および側頭頭頂筋である.
[図513] 頭部の筋(I) 浅層, 側頭筋膜Fascia temporalisおよび耳下腺咬筋膜Fascia parotideomassetericaは残してある.
後頭筋は界上項線から幅ひろく起り,しかも側頭骨の錐体乳突部の背方端からはじまっているが,正中線よりは25~30mmも離れている.この筋は斜めに外側上方に走り,次いで帽状腱膜に移行する.
神経支配:顔面神経の後耳介神経の後頭枝による.
作用:帽状腱膜はもともと動かしやすいものなので,これを後頭の方へと引いて,前頭部を平滑にする.
変異:この筋は全く欠けていることがある.両側の筋が正中線で交叉していることがある.項耳筋とつづいていることも少くない.
最終更新日13/02/03