Band1.407   

 神経支配:顔面神経による.

 作用:この筋は口角を上外側に引きあげる.

 変異:この筋が欠けていることはごくまれである.有色人種では白人種におけるよりもいっそうよく発達しているといわれる.

8. 犬歯筋Mcaninus. (図514519)

 この筋は犬歯窩において,眼窩下孔の下方で幅ひろく始まり,外側および下方に走って口角に達し,そこで三角筋の筋束に移行している.

 神経支配:顔面神経による.

 作用:この筋は口角を上方に引く.

 変異:Le Doubleはこの筋が同じような強さの3つの筋束に分れているのをみた.黒人では口唇における停止が白人におけるよりもいっそう大きいということである.

[図517] 頭部の筋の起始と停止 頭蓋骨を側方よりみる.(H. Virchowによる)

9. 笑筋M. risorius. (図513)

 この筋は,横の方向あるいは斜めに上方,もしくは下方に走る変化に富む繊細な筋で,耳下腺咬筋膜のおもてにあって,うしろ, また下から口角に達し,なお三角筋の後縁に付着している.

 神経支配:顔面神経による.

 作用:この筋は口角を後方に引く.頬のえくぼはこの筋によって生ずる.

S.407   

最終更新日13/02/03

 

ページのトップへ戻る