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 変異:笑筋には他の筋との関係によって,次の3つが区別される.すなわち1. 広頚筋-笑筋Platysma-Risorius,2. オトガイ三角筋-笑筋Triangularis-Risorius,3. 頬骨筋-笑筋Zygomaticus-Risorius(Bluntschli 1903).笑筋はかなりしばしば欠如しているし,その発達の程度が非常に変動する.ときには2つあるいはそれ以上の(多くても5つまで)筋束に分れている.この筋が胸鎖乳突筋の後縁にまで達することはまれであるが,しかし項横筋と続くことさえある.この筋は時どき前方は口角に達していない.

[図518] 頭部の筋(V)および舌骨上筋 頬骨弓を鋸で切断し,咬筋の起始部を取り除き側頭筋の全体が見えるようにしてある.--胸鎖乳突筋の上部,耳介および耳介の筋は取り去ってある.

10. オトガイ三角筋M. triangularis, Dreieckmuskel des Mundes. (図513519)

 この筋の底辺は下顎骨下縁の中央部に一致していて,ここでは筋束に分れて非常に短い腱をもって下唇方形筋の筋束と入り交つてはじまる.この筋は幅が狭くなりつつ口角に達し,皮膚に停止するが,また犬歯筋の線維と合して上唇の口輪筋につづいている.

 神経支配:顔面神経による.

 作用:この筋は口角を下方に引く.

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最終更新日13/02/03

 

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