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β)深層tiefe Schicht

1. 長母指屈筋M. fiexor pollicis longus. (図539)

 この筋は橈骨の掌側面で回外筋の停止より下方およびこれに隣接する前腕骨間膜の部分から起る.その上部は多少とも浅指屈筋の挽側頭に被われている.その腱は手根管に入り,ここでは短母指屈筋の浅,深両頭の間にあり(図547),母指の末節骨の底に停止している.

 神経支配:正中神経による.

 脊髄節との関係:C. VI, VII.

 作用:この筋は母指の末節骨を曲げる.

 変異:この筋はごくまれに欠如する,その起始は橈骨結節にまで達していることがあり,また橈骨の上部1/4に限られていることもあり,あるいは橈骨の上部3/4以上までにひろがっていることもある,浅指屈筋,深指屈筋,円回内筋,上腕筋,第1虫様筋との結合が知られている.補強筋束が上腕骨の尺側頚からぎており(40%),あるいは尺骨の烏口突起から来ているものもあって,これらを上腕頭Caput humeraleという.

[図540] 手骨における筋の起始と停止 右の手骨の掌側面.

2. 深指屈筋M. flexor digitorum profundus, teifer Fingerbeuger(図539)

 この筋は尺骨の掌側面ならびにこれに隣接する前腕骨間膜の部分からはじまり,相ならぶ4つの腱に分れているが,これらは手根管に入って浅指屈筋の腱の裂け目を通り過ぎて,第2~第5指の末節骨の底に終るのである(図546, 550).

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最終更新日13/02/03

 

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