歴史的な偉大な解剖学書
神経支配:橈骨神経による.
脊髄節との関係:C. VI, VII, (VIII)
作用:この筋は母指を内転し,且つこれを伸ばす.
変異:この筋はまれに重複していることがあり,あるいは2つの腱を有っていて,そのうちの1つの腱が示指にゆくことがある.
4. 固有示指伸筋M. extensor indicis proprius. (図542, 544)
この筋は尺骨の後面および前腕骨間膜から起り,総指伸筋の腱とともに背側手根靱帯の下で第4の管を通り,そして総指伸筋の示指にゆく腱の尺骨がわにあって,これと合するのである(図544).
神経支配:橈骨神経による.
脊髄節との関係:C. VI, VII, VIII.
作用:この筋は示指を伸ばす.
変異:まれに欠如し,あるいは重複している.しばしば示指にゆく2本の腱を有っていたり,あるいはその1本を第3指もしくは第4指にあたえている.
5. 回外筋M. supinator. (図538, 539, 542)
この筋は橈骨の上部を莢状に取り囲むもので,尺骨の回外筋稜ならびに橈骨輪状靱帯から起り,橈骨結節から円回内筋の停止にまでのびている1線に沿って橈骨に停止している.その筋質は橈骨神経の深枝が通るための1つの管によって貫かれている.
神経支配:橈骨神経による.
脊髄節との関係:C. V, VI, VII.
作用:この筋は前腕を回外する.
変異:この筋の起始の中にごくまれ数がら1つの種子骨がみられる.過剰筋束としては尺側上顆からおこるものが見られている.さらに独立した横走する筋束,すなわちM. tensor lig. anularis radii dorsalis(背側橈骨輪状靱帯張筋)があって,これは尺骨の後面で半月切痕よりも下方から起って,橈骨輪状靱帯の橈側の部分に停止している.まれに尺骨の烏口突起から姶まるM. tensor Iig. anularis radii volaris(掌側橈骨輪状靱帯張筋)がある.
1. 短母指外転筋M. abductbr pollicis brevis. (図545~547)
手の舟状骨結節および横手根靱帯から出て,母指の橈側種子骨および同じ指の基節骨に停止する.
神経支配:正中神経による.
脊髄節との関係:C. VI, VII.
作用:この筋は母指を外転する.
変異:きわめてまれに欠如する.また大多角骨結節から起ることもあり,または長母指外転筋の腱から起っていることもある.
2. 母指対立筋M. opponens pollicis, Daumengegenstellet, (図547, 548)
大多角骨結節と横手根靱帯とから起って,第1中手骨の橈側縁全体に固着している.
神経支配:正中神経による.
脊髄節との関係:C. VI, VII.
作用:この筋は母指を小指に対して対立させる.
変異:欠けていることがある.短母指外転筋あるいは短母指屈筋と合していることもある.
3. 短母指屈筋M. flexor pollicis brevis. (図545~548)
横手根靱帯から起って,第1中手指節関節の橈側の種子骨に達している.
最終更新日13/02/03