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2. 7個の骨間筋Mm. interossei,  Zwischenknochenmuskeln. (図544551)

a)背側骨間筋Mm. interossei dorsalesは,数は4個あって,それぞれ2頭をもって相隣る2つずつの中手骨の底の向き合った側面から起り,次のように停止する.すなわち第1と第2の骨間筋は第2および第3指の橈側縁に,第3と第4の骨間筋は第3および第4指の尺側縁に停止している.--それゆえ第3指には2つの背側骨間筋があるわけである.

b)掌側骨間筋Mm. interossei volaresは,数が3個であって,それぞれ1頭をもって中手骨から起り,その中手骨に相当する指,すなわち同一の指に停止する,第1掌側骨間筋は第2中手骨の尺側面ではじまり,第2指の尺側面に停止する.第2掌側骨間筋は第4中手骨の橈側面ではじまり,第4指の橈側面に停止する.第3掌側骨間筋は第5中手骨の橈側面ではじまり,第5指の橈側面に停止している.

 すべての骨間筋の停止は,一部はその指の基節骨底の側面に,一部はその指の指背腱膜に終っている.

 神経支配:尺骨神経の深枝による.

 脊髄節との関係:C. VIII, Th. I.

 作用:全部の骨間筋がその停止をもって,一番長い指(中指Mittelfinger)を通る1つの軸の周りに集まっているので,背側骨間筋の停止はこの軸に集中し,これとは反対に掌側骨間筋の停止はこの軸から散開している.掌側骨間筋の作用はいま述べたことにより,中指の軸への内転であり,背側骨間筋の作用はこの軸からの外転である.母指はそれに特有な外転筋と内転筋をもち,小指はそれに特有な外転筋をもっている.それゆえ一方だけのはたらきでは上述の関係が起る.これに反して掌側および背側骨間筋がいっしょに作用するときには,これらの筋は基節骨を曲げ,中節骨と末節骨とを伸ばすこととなり,この点では虫様筋のはたらきと一致している.

 変異:背側骨間筋は,その全長にわたって2個の筋束からできていることがある.

[図551] 右手の骨間筋の模型図 背側骨間筋は赤い線,掌側骨間筋は黒い線で示す.

4. 手背の筋dorsale Handmuskeln

短指伸筋M. extensor brevis digitorum, kurzer Fingerstrecker.

 すでにAlbinusが手背にはじまって示指あるいは中指に達する短い伸筋の存在を知っていたが,この筋はその後に,多数の学者によりいろいろな名称で呼ばれて,変異として記戴されたのであった.これは三角骨で始まり,1個~4個の腱を有していて,この腱が別々の指に達するのであるが,しかし腱が1だけあってそれが第2あるいは第3指にゆく型が断然多くみられる.これは足における短指伸筋に相当し,おそらくはいっそう前の発達段階では常に存在し,且ついっそう強い発達を示した筋の残りものであろう.

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最終更新日13/02/03

 

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