Band1.472   

この腱はここから第5中足骨底の近くに達し,足底に方向を変えて,まず立方骨の長腓骨筋腱溝のなかを,次いで足底腓骨筋管Canalis fibularis plantaeのなかを足底長腓骨筋腱鞘Vagina tendinis m. fibularis longi plantarisに包まれてすすみ,足の内側縁に達し,いくつかの尖に分れて第1中足骨底および第1楔状骨に,またしばしば第2中足骨にも停止している(図590).非常にしばしば1つの腱束が第1背側骨間筋のなかに広がって終る.腓骨踝から立方骨に達するまで,この腱は総腓骨筋腱鞘Vagina tendinum mm. fibularium communisに包まれている.この腱が踵骨の長腓骨筋腱溝のなかにある部分はしばしば幅がいっそう広くなり,ほとんど常に線維軟骨をもち,いっそうまれに種子骨がある.

[図576, 577]右下腿骨における筋の起始と停止 図576. 前からみる.図577. うしろからみる.

 神経支配:浅腓骨神経による.

 脊髄節との関係:L. V, S.I.

 作用:足の外側縁を挙げ,内側縁を下げる.足を足底の方へ曲げることにあずかる.足を固定しているときには下腿をうしろに引く.

 変異(長腓骨筋の終腱は日本人では主腱はすべて第1中足骨粗面に停止し,約88.2%に副腱束があり,これはそれぞれ第1背側骨間筋(65・79%),第1楔状骨(48.68%).母指内転筋斜頭(197%)に達する(橋本重夫:成医会雑誌,60巻,94~105,1941).):主としてその腱についてみられる.1本の腱条がこの腱の肥厚部,すなわち立方骨に接する部分か ら出て,第5中足骨の底に達して,短小指屈筋の起始となっている.

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最終更新日13/02/03

 

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