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おのおのの次に続いてくるものがきっぱりと他のものの上に作られる.先にあったものの基礎を利用し,よりせまい範囲に退き,既存の原基をいっそう根本的に完成したり,うちこわしたり,かくして血流の道のきわめて著しい変化が現われてくる.その一部は突如として変化するのである.

III. 脈管の配置,位置,構造

1. 脈管の分節

 われわれの体がもともと分節的構造をもつので脈管が分節的な配置を示すのは当然といえる.すなわち体には脈管路の分節的な並びがみられる.

 脈管の分節は,それが動脈性, 静脈性またはリンパ性のいずれであっても,個々の分節あるいは分節の中間に一致する横の道,つまり1つまたはいくつかの縦の道から分れ出たり,あるいはそういう縦の道に入ってゆく分節路あるいは分節間路からなりたっている.

[図601] 大動脈の典型的な関係および結合を示す模型図(Thaneによる,やや改変)

 左右の分節的脈管(図601)は縦走する本幹から発し後枝Ramus dorsalisと前枝Ramus ventralisに分れる.

 後枝は椎間孔を通って脊髄管内に脊髄枝Ramus spinalisを送り,これは椎骨壁, 脊髄およびその被膜に分布している.後枝の本幹はさらに内側枝Ramus medialisと外側枝Ramus lateralisにわかれて筋と皮膚にいたる.

 分節動脈A. segmentalisにはその後枝と前枝があるばかりでなく,その上に内臓枝Ramus visceralisがある.これは対をなしたり,または不対性であったり(図601),または縦走する本幹から分節血管に譲り渡されていることもある.

 若干の重要でない違いはあるが静脈とリンパ管にも同じことがみられる.頭部と頚部では3種類の脈管のすべてがここに述べた型から本質的にはずれている.

それはこの部分の最初の原基に原因があって,総弓動脈の形成と関係することなのである.

 四肢の大きな動脈は横走する本幹から変形しさらに発達したもので,そのさい上肢の大きい動脈は鰓弓血管に由来している.

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最終更新日13/02/03

 

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