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[図642] 顔面動脈と顎動脈(5/6)

 頬骨弓,下顎枝,外側翼突筋および側頭筋と咬筋の一部は取り除いてある.

 変異:時として浅側頭動脈が眼動脈の終枝とかなり太い吻合をいとなんでいることがある.またしばしば前頭枝の方が頭頂枝よりも太くて,それが頭頂部で1つの大きな弧を画き,この弧が後頭動脈とつながっている.顔面横動脈が非常に太くなっていて,細い顔面動脈をおきなっていることがあり,また顔面横動脈がしばしば外頚動脈から出ている.

8. 顎動脈Arteria maxillaris (図641, 642)

 顎動脈はいっそう太い終枝として外頚動脈から直角をなして出る.その起始部は顎関節の下方にあって,耳下腺により被われている.この動脈はうねっていて下顎頚と蝶顎靱帯の間を水平に前方にすすみ,外側翼突筋と側頭筋のあいだに達する.ついで外側翼突筋の両頭のあいだにいたり,そこを越えて翼口蓋窩にはいり,そこで終枝に分れる.このことから顎動脈を下顎部Pars mandibularis,翼突部Pars pterygoidea,翼口蓋部Pars pterygopalatinaに分けることができる.

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最終更新日13/02/03

 

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