歴史的な偉大な解剖学書
5. 中大脳動脈Arteria cerebralis media(図644)
これは内頚動脈のいっそう太い方の終枝で外側に向かっている.外側大脳裂あ初まりのところで起り,この裂溝のなかを後上方にすすみ,その付近の大脳半球を養っている.
[図644]脳底の動脈(9/10)
左側頭葉の前方の1部と左小脳半球の大部分を取除いてある.副神経は示してない.
嗅野の部分ですでに多数の重要な枝を出すが,これらを穿通枝Rami perforantesといい,その近くにある大脳の灰白質の諸核に達するものである.
変異:ときとして左右の前大脳動脈が短い距離だけ互匠合して1本の動脈になり,もっと先でふたたび2本に分れる.前交通動脈がときおり重複している.前交通動脈のいろいろな変異はヨーロッパ人で16.7%に,日本人で60.2%にみられる(Adachi).--後交通動脈はときとして1側で欠けていたり,後大脳動脈がこれから出ていたりする.後者のばあい後大脳動脈ははなをよだ細い枝だけで脳底動脈とつながっている.最後に述べた異常はヨーロッパ人で77%に,日本人で18.1%にみられる(Adachi).
最終更新日13/02/03