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[図657] 手掌(右)の動脈(II) 浅掌動脈弓Arcus volaris superficialis (5/6)

浅掌動脈弓Arcus volaris superficialis (図657)

 浅掌動脈弓は主として尺骨動脈の浅層の終枝と,同じ動脈の浅掌枝とからなり,これらの枝は横手根靱帯の遠位縁の近くと手掌の中央部にある皮肩の溝の所で弓状にまがって橈側に向い母指球の筋肉の方に走っている.

 遠位方に凸の弓を画くこの動脈弓は母指球に向かって細くなり,そこでたいてい橈骨動脈からの細い浅掌枝とつながる.ほかの例では動脈弓がそこまで達しないで,第1掌側中手動脈に達していることがかなり多いのである.この動脈弓は浅指屈筋の腱と正中神経の枝および尺骨神経の枝の上にあり,また初めは短掌筋により,ついで手掌腱膜と皮膚により被われている.これと並んで尺骨神経との交通枝(正中神経の)R. communicans(n. mediani) cum n. ulnariが走っている.

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最終更新日13/02/03

 

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