歴史的な偉大な解剖学書
この動脈は上方および下方に向う多数の比較的細い枝すなわち臍胱枝Rami vesicalesを臍胱の上部と中部にあたえ,またたいてい小枝を尿管の骨盤部にあたえている.
これは内腸骨動脈の幹から出るか,または近くの枝から出て下方に向い枝分れして,臍胱底・精嚢腺・前立腺に分布する.
前立腺枝はたいてい1本の共通の幹を作っており,他側の同名枝とつながっている.女では同じような枝が腔にいく.少数の細い枝が恥骨結合の後面にも広がっている.
この動脈は内腸骨動脈の枝として独立して起るか,あるいは前記の動脈かそのほかの枝と1本の共通の幹をもって出ている.
これは臍胱底りところで精管に達し,それぞれ1本の上行枝と下行枝に分れる.下行校は精管に伴って精嚢腺に達し,上行枝は鼠蚤管と精索にいたり,精巣動脈と結合する(603頁参照).
これは男の精管動脈に相当するが,それよりもつねに太いもので,たいてい内腸骨動脈の前方の主枝から独立して出る枝である.
子宮動脈は腹膜の下を通り,子宮広鐵嚢の下部の中を子宮頚に向かってすすみ,強くうねった多数の枝となって子宮のなかで広がっている.これらの枝は子宮の側縁を上行する幹からほぼ直角をなして発し,子宮の前後両面で他側の枝とつながっている.終枝が3本あって,そのうち1本は内側に向かって子宮底に行く.2本の外側の棟のうち1本は卵管枝R. tubalisと称し,卵管と平行して卵管間膜の中を通り,卵巣動脈の枝とつながる.もう1本の外側の枝は卵巣枝R. ovaricusといって卵巣間膜のなかをすすみ.やはり卵巣動脈の枝と結合し,これとともに卵巣の動脈弓Eierstockarkadeを作っている.この動脈弓から出る小枝が子宮鼡径索とともに走り,腹壁のなかで下腹壁動脈の枝とつながる.また他の枝は卵巣にいたる.
比較的小さな枝が子宮動脈から出て臍胱・尿管・腟に分布している.腟にいく枝はときとして合同して腟動脈A. vaginalisという目立った小幹をなして下方にすすみ,腟にあるそのほかの動脈とつながる.また腟と直腸のあいだで他側の同名枝と弓状をなして結合している.
この動脈は独立して始まるか,あるいは下臍胱動脈もしくは内陰部動脈から発し,骨盤筋膜の上にある直腸の部分を養い,また枝を精嚢腺・前立腺・肛門挙筋にあたえている.
この動脈は上直腸動脈,肛門動脈,下膀胱動脈とつながる.
太い動脈であって,主に腸の終末部・外陰部および会陰部を養っている.男ではこの動脈が女よりもいくぶんよく発達している.男女の場合を別々に分けて観察するのがよい.
内陰部動脈は内腸骨動脈の前方の主枝からそれだけで独立して,あるいは下臀動脈と1本の共通の幹をなして始まり,下腎動脈とともに下方にすすみ坐骨棘のすぐ上で骨盤から出る.
最終更新日13/02/03