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ついで骨間筋と母指内転筋の斜頭のあいだを内側にすすみ足底動脈弓Arcus plantarisを作る.

足底動脈弓Arcus plantaris(図679)

 足底動脈弓は腓側足底動脈(後脛骨動脈の)と穿通中足動脈(前脛骨動脈の)とがいっしょになってこれを成している.この動脈弓は外側かつ遠位に向かって凸の弓状を画き,中足骨の底のすぐ下で,この骨と足の指の諸屈筋の腱および母指内転筋の斜頭のあいだを走る.これはその位置の関係から深掌動脈弓と同じものである.足底動脈弓の枝は足の指の底面を養い.また足背の一部をも養う.これから次の枝が出ている.

a)底側中足動脈Aa. metatarseae plantares.この動脈は中足骨のあいだにある4つの隙間を遠位方向に走り,中足骨の遠位端でそれぞれ2本の底側指動脈Aa. digitales plantaresという枝に分れて,足の指のたがいに向き合った両側縁にいたる.

 おのおのの足の指の両側縁にある動脈は終末動脈弓terminale Arkadeを作って,これから多数の枝を出しており,また側枝を足指の背側部に送っている.第4底側中足動脈の外側で,足底動脈弓から第5中足骨および小指の外側縁への動脈が出ていて,これを小指腓側足底動脈A. Plantaris fibularis digiti quintiという.それに対して第1底側中足動脈からは第1中足骨の小頭のところで母指の内側縁への動脈が出ている.これを母指内側足底動脈A. Plantaris tibialis hallucisという.これはたいてい内側足底動脈の遠位端とつづいている.

b)穿通枝Rr. perforantes.これには近位と遠位の穿通動脈がある.近位のものは3本あって.外側の3つの中足骨間隙の近位部を貫いて,足背で背側中足動脈とつづいている.遠位の穿通動脈は底側中足動脈の遠位端か,またはそれから分れた枝の近位端から出て足指の背側の動脈にいたる.

膝関節動脈網Rete articulare genusと膝蓋骨動脈網Rete patellae

 膝関節動脈網は動脈の枝で作られていて,大きい広がりをもつ網であり,膝関節包をとりまいている.次の諸動脈がその形成にあずかる.

1. 下行膝動脈

2. 脛側近位膝動脈

3. 腓側近位膝動脈

4. 中膝動脈

5. 脛側遠位膝動脈

6. 腓側遠位膝動脈

7. 腓骨枝

8. 後脛骨反回動脈

9. 前脛骨反回動脈

 膝蓋骨動脈網Rete patellaeは膝関節動脈網の一部で膝蓋骨の前面にあるものである.

脛骨踝動脈網Rete malleolare tibiale

腓骨踝動脈網Rete malleolare fibulare

 脛骨踝動脈網は脛骨踝の自由面にあって,前脛骨踝動脈,近位の内側足根動脈および後脛骨踝動脈によって作られる.腓骨踝動脈網は前腓骨踝動脈の枝がこれに関与し,また後腓骨踝動脈が存在する場合にはこれも加わり,(いっそうまれに)内側足根動脈の後枝もその形成にあずかっている.

踵骨動脈網Rete calcaneare

 踵骨動脈網は踵骨の後部の上にあって脛骨踝動脈網およぴ腓骨踝動脈網から枝を受けているが,特に後脛骨動脈からおこる多数の目立った枝である内側踵骨枝,および腓骨動脈の腓側踵骨枝によって作られている.

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最終更新日13/02/03

 

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