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b)総腸骨静脈V. ilica communis.これには臓側枝と壁側枝とがある.このことについてはすぐ後の章で別に説明することにする.

c)腰静脈Vv. lumbalesは同名動脈と同じような配置をもっており,典型的な背枝Ramus dorsalisを受け入れている.背枝は背中の諸筋からきて,腰椎の肋骨突起のあいだを通るときに,そこの椎間孔をへて来る脊髄枝Ramus spinalisを受けとるのである.

[図693] 女の骨盤の静脈(1/2) (Nuhn, Chirurg.-anatom. Tafeln. Mannheim 1847~1855による)

この静脈幹は側腹壁の血液を集め,また前腹壁の静脈とつながっている.背枝と前枝とが合した幹は大腰筋の後方,脊柱の前面をへて下大静脈に向かってすすむが,そのさい左側のものは大動脈のうしろを通る.何本かの幹が脊柱の前でたがいに合して,共通の幹で大静脈に開いていることがある.腰椎の肋骨突起の前にはすでに654頁に記載した上行腰静脈V. lumbalis ascendensという縦走する鎖状の吻合がある.これは上下の腰静脈をたがいにつなぎ,またたいてい総腸骨静脈ともつづいている(図690).

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最終更新日13/02/03

 

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