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 腋窩リンパ節からでる輸出管は非常に強大で,鎖骨下動脈の通り道に沿ってすすみ,鎖骨下リンパ節Lymphonodi infraclavicularesからの輸出管を受け入れている.このリンパ節は鎖骨のすぐ下で大胸筋と三角筋のあいだにある.ついでリンパ管は1本の幹または2本以上の幹になり鎖骨下静脈に沿って頚部に上つていく.

[図728] 咽頭と食道の粘膜のリンパ管 食道は後正中線で切り開いてある.咽頭からのリンパの3つの流出は図の中で左上と左下および梨状陥凹の中の太い幹で示されてある.咽頭から色素を注入して深頚リンパ節と咽頭側方のリンパ節にまで達せしめてある.(A. Most,1901)

[図729] 喉頭のリンパ管(A. Most 1890).

頚部では右側の幹は右リンパ本幹に,左側のものは胸管にはいる.しばしばこの幹は直接に鎖骨下静脈へ入るが,その場所はこの静脈が総頚静脈と合して腕頭静脈となる所の近くである.

b)胸壁のリンパ管は一部は皮下を,一部は胸筋の下を走る.

 浅層のリンパ管は一部は臍部から上つてくる.浅深両方のリンパ管の領域には胸筋リンパ節Lymphonodi pectorales, Brustknotenが介在している.

 乳房のリンパ管には4つの道がある.つまり1. 乳腺の上部と外側部からは2本の太いリンパ管がでて大胸筋の上かその外側縁をへて腋窩リンパ節にいたる.2. 外側への道は1本で大胸筋の外側縁を越えて外肋間リンパ節Lymphonodi intercostales externi(Bartels)にすすむ.このリンパ節は第4肋,間隙の高さで外側鋸筋の筋膜の下に存在する.3. 肋間路interkostale Bahnは胸骨リンパ節にいたる.4. 筋内路intermuskldire Bahnは大胸筋を貫いて,いくつかの肋間リンパ節あるいは鎖骨下リンパ節に行く.

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最終更新日13/02/03

 

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