Rauber Kopsch Band2. 002   

 これら3つの器官系は大部分が1本の管からなりたっている.この管は上皮で被われ,重層の筋層と単層の漿膜を持ち,また多数の腺を備えており,体の外表面に管の口が開いている.

 体内部の非対称性lnnenasymmetrte.成長した個体の内臓は形態, 位置ともに非対称的である.特に中央に発生する不対の器官(心臓,肝臓,腸,脾臓)はもちろん,さらに対をなす器官(肺,胸腺,腎臓,腎上体)も非対称的である.不対の器官の原基は一見まったく対称的であるが発生の途上,において非対称的になってくる.

A.内臓学総論

内臓はその構造から見て次の3層に分けることができる.

1. 粘膜Tunica mucosa, Schleimhaut

2. 筋層Tunica muscularls, Muskelhaut

3. 漿膜Tunica serosa, seröse Haut

 漿膜は多くの器官では外膜Tunica externaがその代りにある(図2).

1. 粘膜Tunica mucosa, Schleimhaut

 粘膜は消化呼吸器系において,口腔および口腔腺,口峡,咽頭腔および耳管と鼓室,鼻腔および副鼻腔,眼瞼の内側,眼球の前面,涙小管,鼻涙管,喉頭,肺内で細かく分岐するまでの気道,食道,胃,腸,胆道,胆嚢,膵管およびその分校などを連続的に被う.

 同じく泌尿生殖系では尿路,とくに腎盂,尿管,膀胱,尿道,男性生殖器における精巣上体,精管,精嚢腺,女性生殖器における卵管,子宮,腟を被う.

 この2つの大きな粘膜管の形態学的なつながりが多くの点において認められる.2つをくらべるのには膀胱を例にするのがもっとも理解しやすい.その粘膜は消化呼吸器系の粘膜の直系である.

 粘膜は多くは柔かくて,本質的には上皮と結合組織からなる膜で白色から赤色にかけての種々の色調をもち,粘液Mucus, Schleimを分泌し,またたいていの場所に腺を有する.

 上皮Eplthelium, Epithelは外表面を被い粘膜固有層Lamina propria mucosaeと粘膜下組織Tela submucosaからなる結合組織性の床によっていっそう深い層と結びついている.粘膜の厚さは変化にとみ,あまり丈夫ではないが伸展性は通常著しい.血管,リンパ管,神経をどの程度にもっているかということは極めてまちまちである.

[図2]内臓の層状構造 ヒトの小腸を開いて,内面からみたところ.

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最終更新日 10/08/31

 

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