Rauber Kopsch Band2. 010   

[図9]赤唇縁Lippenrotの独立脂腺30才の男.(L. Stieda 1902)

[図10]新産児の口唇(絨毛をもっている)×2.7 (Malka Ramm, Anat. Hefte, 29. Bd.,1905. )

[図11]成人の口(2/3)

 それゆえ赤唇縁roter Lippensaumは移行部とそれに接する粘膜部の一部からできている.口唇の粘膜が顎骨の上に移ってゆくときに上下それぞれ1つの正中部のひだをなしている.これを上および下唇小帯Frenulum labii maxillaris et mandibularisという.

 口唇内の輪状および放射状に走る筋肉についてはすでに第1巻403頁に記してある.そのほかなお多数の神経や血管が口唇には存在する.

 神経は眼窩下神経,オトガイ神経,頬神経,なおしばしばまた大耳介神経がくる.

 口唇のリンパ管は皮下のものと粘膜下のものとある.そして上唇からのリンパ管は顎下リンパ節と浅頚リンパ節にいたり,これらの領域リンパ節に下唇の粘膜下からのリンパ管が達するが,下唇の皮下のものはオトガイ下リンパ節にゆく.

 新生児では移行部の幅がはなはだ狭くて,口を閉じたときに粘膜部の前縁がめだって外からみえる.そののち次第に移行部の幅が増すのである.

S.010   

最終更新日13/02/03

 

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