Rauber Kopsch Band2. 139   

γ. 輪状甲状靱帯-弾性円錐の自由部Lig. cricothyreoideum=Pars libera coni elastici (図77, 189, 191)

 輪状甲状靱帯は丈夫なもので,輪状軟骨の弓からこれに向い合っている甲状軟骨の縁との間に張るものである.その中央部の近くを上甲状腺動脈の輪状甲状筋枝Rami cricothyreoideiが貫いている.

[図193]男の喉頭および気管の上部と舌骨,これらに付着する筋と靱帯.甲状軟骨の左板とこれに付着する靱帯は大部分取り去ってある.左からみる.(9/10)

 輪状甲状靱帯の側縁ははっきりした終りをしめさないで喉頭粘膜の粘膜下組織のなかにある黄色をおびて弾性に富む喉頭弾性膜Membrana elastica laryngisに続いている.この膜は後方は披裂軟骨と,前方は甲状軟骨と,下方は完全に輪状軟骨とつながっている.この膜の上縁は声帯靱帯となっている(次のη参照).これらのものをすべてひつくるめて弾性円錐Conus elasticusという.

δ. 甲状喉頭蓋靱帯Lig. thyreoepiglotticum(図190)

 これは喉頭蓋軟骨の茎を甲状軟骨の上甲状切痕の下に固着させている.この靱帯は喉頭蓋軟骨の前面の方につづくのである.

S.139   

最終更新日13/02/03

 

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