Rauber Kopsch Band2. 162   

[図218]肺(コウシ)概観像

 1本の小葉間気管支の分枝の縦断.弾性組織はオルツェイソで染められている.*呼吸細気管支が2本の肺胞管に移行するところ.肺胞管の1本はふたたび枝分れしている.

著者は独自の研究によってこの孔が実際に存在することを信じており(図217),Fr. E. Schulze(Sitzber. Akad. Wiss. Berlin 1906)とともにそれが正常の像であることを確かめた.このことはOertel(Sitzber. Heidelberger Akad. Wiss.1919)によってふたたび証せられた.

6. 肺の脈管と神経

1. 右心室から出て静脈血を導びく肺動脈A. pulmonalisは右枝と左枝に分れて,それぞれめ側の肺にはいる.肺動脈の多数の枝が気管支の分枝に伴なって最後は肺胞壁に終わっている.個々の肺胞の境をとりまいて動脈輪Arterienkreisがあって,隣接する動脈輪とつながっている.この輪状の動脈からひじょうに密な毛細管の網が始まる(図220).毛細管網は個々の肺胞の壁のなかにあって,血液はここをとおる間に滲透作用によって肺胞内の空気と交流をなすことができ,酸素を吸収して炭酸ガスと水蒸気を送り出すのである.毛細管の網から静脈が始まってこれが動脈性となった血液を送り返している.そして細い静脈は特に肺の表面の近くでは気管支といっしょに走っていないで,それだけ単独で走り,そばのものと多数のつながりをもちながらもっと深いところで初めて気管支の分枝に伴っている.静脈はさらに集まって太い枝となり,肺動脈の前下方で肺根に達している.

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最終更新日13/02/03

 

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