Rauber Kopsch Band2. 173   

同心性小体のそばには上皮性の細胞群からなる不規則な索や島Inselnがある. Hammar, Stöhrおよびその他の学者によるとこれらの構造は内胚葉性の細網細胞が肥大することによって生じたものだという.

 Hammarはハッサル小体の数をしらべて,新生児では100万,少年期の終りには150万であるとした.16~20才では704135に減じ,21才から25重ではなお492591, 36才~45才では262482しかないという.

 胸腺の動脈は鎖骨下動脈のいろいろな枝から来ている.静脈はほとんど全部が左腕頭静脈にはいる.リンパ管は多数存在していて大い.神経は迷走神経と交感神経から来ており,無髄である.そして第1には心臓神経と心臓神経叢から胸腺に来ており,また第2には少数の血管神経を介して,ときには横隔神経を介して胸腺に来ている.舌下神経係蹄からの線維をSjölanderとStrandbergが発見した.細小の線維が実質のなかに入り,そこで自由終末をなしている.

 Hammar, J. Aug., Die Menschenthymus. Teil I. Ergänzungsband zu Bd. 6 der Z. mikr. anat. Forsch.1926. Teil II. Ergänzungsband zu Bd.16,1929.-Sjölander und Standberg, Upsala Läkaref. 's Förh. Ny följd., 20. Bd.,1915-Braeucker, W., Z. Anat. u. Entw., 69. Bd.,1923.

 

泌尿生殖器系Systema urogenitale

 泌尿器と生殖器は一部は同じ通路を利用している.この2つのは系統発生学的にも個体発生学的にもたがいに密接な関係をもっている.それゆえこれらを合せて記載することにする.

I. 泌尿器Organa urinalia, Harnorgane

序論と概説

 泌尿器は数多くの物質を排泄する役目をもっていてこれらの物質を総括して尿Harnと呼ぶのである.人の尿は芳香があり,塩からくて苦く,透明で黄色をおびた弱酸性の液体で,比重は1005ないし1030である.

 尿を分泌する器官は左右の腎臓Niereである.腎臓は尿の成分をこしらえるのでなくて血液からそれを分離させるのである.あらかじめ尿の成分が血液のなかにある.これは体の諸器官から血液に受け入れられて腎臓に運ばれる.馬尿酸だけ,およびあまり確実ではないが尿色素が腎臓で作られるとされている.他の諸器官と同じく腎臓もその生活機能によって生じた若干の老廃物を産出している.これはつまり腎臓固有の老廃物である.

 人間の泌尿器は左右の腎臓からできている.左右の腎臓にはそれぞれ尿の運搬にあずかる1つの通路がつながっている.これを尿管Harnleiterという.尿管は膀胱Harnblaseという貯蔵所に開目している.常に導かれてくる尿が膀胱に一時たくわえられ,絶えず外に滴り出ることがないようにしてある尿は最後に膀胱から尿道Harnröhreという流出管を通って外に出される.

A.腎臓Renes, Nieren(図223236)

 腎臓はソラマメのような形をしている.つまり外側が凸で,内側の中央部がへこんでおり,前後に圧平された形である.縦軸はほぼ正確に上下の方向にむいており,下端はわずかに外側を指している.腎臓の表面は平滑で暗赤褐色を呈している.

 左右の腎臓にはそれぞれ前面後面Facles ventralis, dorsalis,内側縁外側縁Margo medialis, lateralis, 上端下端Extremitas cranialis, caudalisを区別する.Löfgren(1949)によると上端のほうがたいてい幅が広いという.

 前面は後面よりもいっそう円みを呈するのが普通で,また前面がやや外側にかたむいている.後面は前面より平らである.外側縁は外側かつ後方に向かって後腹壁に面している.

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最終更新日13/02/03

 

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