Rauber Kopsch Band2. 191   

 動静脈吻合はGeberg(Internat. Monatsschr. Anat. Phys., 2. Bd.,1885)が腎被膜てイヌの)において発見した.またGolubew(同じく10. Bd.,1893)は腎実質(哺乳動物と人の)においてそれを見いだしている.しかもそれは境界層(皮質と髄質の),腎柱,腎杯の腎乳頭への付着部においてである.

[図261]ヒトの腎臓における静脈の走行模型 (M. M. Gännsslen作図)

 a 葉間静脈;b 弓形静脈;c 星状静脈から起る太い放線状皮質静脈;d 放線状皮質静脈;e 浅皮質静脈;f 深皮質静脈;g 星状静脈;h 毛細管領域の静脈性の部分;i 糸球体があるための空白;k 2本の放線状皮質静脈の末梢根の吻合;l 浅皮質静脈と深皮質静脈の吻合;m 浅皮質静脈と放線状皮質静脈の側枝との吻合;n 深皮質静脈と放線状皮質静脈の側枝との吻合;o 2本の星状静脈の吻合;p 髄質を直走する細静脈;q 髄放線からの静脈の流出路;r 髄質の毛細管網.

Spanner(Verh. anat. Ges.,1937)によると動静脈吻合は常にしかも数多くみられるつながりであって,腎杯には1qcmあたり360, 線維被膜と皮質では放線状皮質動脈と同名静脈の間に1qcmあたり264も存在するという.

 腎臓のリンパ管はきわめて豊富であって,浅層のリンパ管網と深層のリンパ管からなっている.深層のものは動脈に沿っている.

 腎臓の神経.腎臓神経叢Plexus renalisがよく発達していて,大小たくさんの神経節をもっている.この神経叢は腹腔神経叢と腹大動脈神経叢からの枝によってできている.また小内臓神経から腎臓神経N. renalisを受けており,そのほか交感神経幹の腰部からも直接の枝が来ている.

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最終更新日13/02/03

 

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