Rauber Kopsch Band2. 204   

 脊椎動物の胚はもともと両性の素質をもっている.そして成長した個体は潜在性に2つの性をもつのである.このことは著者(Kopsch)がすでに1896年に発表し,今日ついに一般に認められるようになった.このことがらは若干の魚類において特に目立っている(Wurmbach, Arch. Entwmech.,145. Bd.,1951).同じ個体において両性の器官が発達しており,しかもその器官のいくつかが不充分な発達をしていること示時たまある.このような個体を半陰陽Hermaphroditen, Zwitterという(Hoepke, Z. Anat., Entw., 71. Bd.,1924).

[図273]ネコの卵巣の横断図 (Schrönによる) (1/6)

 1 卵巣の外被と自由縁;1'門の付着縁;2, 2 血管と結合組織からなる髄質;3 皮質;4 血管;5 皮質の表層部にある若い卵胞;6 深層にはいり始めたやや大きい卵胞;7,8,9 いっそうよく発達した卵胞, そこには卵をもった卵丘がすでにみられる;9'卵のないグラ一フ卵胞;10 黄体.

[図274]原始卵胞 21才の女の卵巣 ×200.(H. Stieve)

A.女性生殖器Organa genitalia feminina, weibliche Geschlechtsorgane

a) 内部生殖器は卵巣,卵管,子宮,腟からできている.

b)外部生殖器はいわゆる外陰部である.

 女性の内部生殖器は骨盤腔におさまっており,膀胱と直腸のあいだにある.すなわち腔はこの2つの器官のあいだの下部をみたし,子宮はやはりこの間で上方にたかまっており,卵管は子宮の側面から卵巣に達している(図275).

a)内部(女性の内部生殖器)

1. 卵巣Ovarium(Oophoron),Eierstock(図273281, 284, 285, 290)

 卵巣は左右1つずつある女の生殖腺であって,平たい長円形をしていて,子宮卵巣索Chofda uteroovarica, Eierstotkbandという3~4cmの長さの丈夫な索によって子宮の側縁の後上部に結びういている.

 卵巣を固定するのにはさらに腹膜も関与している.卵巣のまっすぐな付着縁,すなわち卵巣間膜縁Margo mesovaricusほ卵巣門Hilus ovariiをもっている.その反対側には自由縁Margo liberという凸縁がある.面の1つを内側面Facles medialisといい,もう1つの面を外側面Facles lateralisという.また1端を子宮端Extremitas uterina,他端を卵管端Extremitas tubalisという.

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最終更新日13/02/03

 

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