Rauber Kopsch Band2. 205   

 卵巣の長さは2.5~5cm,幅は1.5~3cm,厚さは0.6~1.4cmで,重さは5~8grである.(日本人の成人の卵巣の平均重量は左5. 82gr,右5.71grである(岡暁,京都医誌,38巻,昭和16年下).)

 卵巣の色は白色ないし帯紅白色である.表面は最初の月経がおこる前は平滑であるが,それ以後はデコボコがあり,小さなくぼみや疲痕が見られる.表面は無光沢で,やや透明な観を呈するが,卵巣門のまわりには光沢のある腹膜が認められる.

[図275]女の骨盤の内臓

 骨盤の右半分をそのままにして左側から剖出してある.(9/20)

 卵巣は腺組織と結合組織, それに血管と神経をもっている.外方の結合組織の層は被膜であって,ここでは線維の方向がたがいに交叉しており,つながりあった2層ないし3層の結合組織からできている.この被膜の外面は1層の丈の低い円柱形の上皮細胞,すなわちいわゆる胚上皮Keimepithelで被われている.被膜に続いて皮質Rindensubstanzがあり,そこに卵巣の腺組織Drüsengewebeがある.最後に門につづくところに髄質がある(図273).

S.205   

最終更新日13/02/03

 

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